ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アールフォルス」の意味・わかりやすい解説
アールフォルス
Ahlfors, Lars Valerian
[没]1996.10.11. アメリカ合衆国,マサチューセッツ,ピッツフィールド
フィンランドの数学者。リーマン面に関する研究を認められ,1936年第1回フィールズ賞受賞。1981年ウルフ賞受賞。1932年ヘルシンキ大学で博士号を取得し,1938~44年同大学に在籍。スイスのチューリヒ大学を経て,1946年アメリカ合衆国のハーバード大学に移り,一線を退くまで在籍した。1936年ノルウェーのオスロで開催された国際数学者会議でフィールズ賞を受賞。被覆空間の観点から逆関数のリーマン面を解析する方法を発展させたことが認められた。おもだった貢献はリーマン面の理論におけるものだったが,発見した定理(アールフォルス有限性定理,アールフォルス 5円板定理,アールフォルス主定理など)はリーマン面以外の分野,たとえば有限生成クライン群の理論などにも及んだ。1929年には整関数についてのアルノー・ダンジョワの予想を解決している。またのちに,擬等角写像の研究や,等角不変量についてのアーン・ボイリングとの共同研究を行なった。著書に『複素解析』Complex Analysis(1953),"Riemann Surfaces"(1960,レオ・サリオと共著),"Lectures on Quasi-Conformal Mappings"(1966),"Conformal Invariants"(1973)など。1982年 "Collected Papers"刊行。
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