出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
チリの軍人、政治家。軍人の道を歩んだのち、陸軍大臣、副大統領を経て、1927年に事実上のクーデターで大統領に就任。強権的な政治体制を敷き、欧米諸国からの多額な借款で広範な公共事業を行い、経済に繁栄をもたらした。またその一方で、進んだ労働法を実施し、農地改革にも着手した。しかし、世界恐慌の影響で政策が行き詰まり、1931年に大統領の地位を追われてアルゼンチンに亡命(1931~1937)。帰国後も政治活動を続け、1952年の選挙で大統領に復帰したが(1952~1958)、経済情勢の悪化により、綱領で掲げた労働者の経済的救済も実現できぬまま政権から去った。「鉄の男」とよばれた強烈な個性の持ち主であった。
[加茂雄三]
「ブラスコ・イバニェス」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 1920年には都市資本家層と労働者との支援のもとにA.アレサンドリ政権が登場し,地主,教会などに代表される保守勢力を抑えて,政教分離,労働三法の制定などを骨子とする進歩的な1925年憲法が採択された。しかし,この時期にはまだ資本家層と労働者の力は,ともに十分でなく,27年にはイバニエス保守独裁政権が成立した。 29年の世界大恐慌は一次産品の輸出国であるチリに甚大な被害をもたらし,イバニエス政権は31年に崩壊,政治的混乱が続いたが,32年アレサンドリ第2次政権以降,チリの政治は安定した。…
※「イバニェス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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