日本大百科全書(ニッポニカ) 「サフォーク」の意味・わかりやすい解説
サフォーク(動物)
さふぉーく
Suffolk
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ヒツジ科の動物。家畜ヒツジの肉用品種で、イギリスのサフォーク県原産。オールドノーフォークの雌にサウスダウンの雄を交配して作出され、1886年に品種として公認された。無角で、顔面と足に黒色の粗毛が生え、別名ブラックフェイスといわれる。毛は短く白色で、毛量は約2.5キログラム、毛質はサウスダウンに劣るが、早熟早肥で肉量も多く、肉質も優れている。
[西田恂子]
サフォーク(イギリス)
さふぉーく
Suffolk
イギリス、イングランド南東部にあるカウンティ(県)。面積3798平方キロメートル、人口66万8548(2001)。県都イプスウィッチ。白亜層の上を氷河堆積(たいせき)物が覆う丘陵性低地が広がり、肥沃(ひよく)である。そのため隣接諸県とともに国内きっての穀物生産地域(とくに大麦、小麦など)となっており、テンサイやエンドウなどの生産も多い。醸造、製糖、農業機械などの農業関連産業も立地し、牧畜業も盛ん。沿岸部では観光業や漁業が発達し、沖合いでは天然ガスの採取も行われる。古代からの遺跡に富むほか、イングランド七王国(ヘプターキー)時代にはイースト・アングリア王国の一部を構成し、13世紀にはオランダの毛織物職人の移住を経験するなど、歴史的な重要性も大きい地域である。
[久保田武]