ウインチ(読み)うぃんち(英語表記)winch

翻訳|winch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウインチ」の意味・わかりやすい解説

ウインチ
winch

巻胴にワイヤロープや鎖を巻取り,重量物を引寄せたり,吊上げたりする簡便な物上げ機械。土木・建築現場,鉱山船舶,その他で広く使われている。力を増大させるために駆動軸と巻胴の間に減速歯車装置を設ける。駆動方法によって次のように大別される。 (1) 手巻ウインチ 枠組みの中にある巻胴を,歯車を介してハンドルで回すもの。巻上げ容量は 0.2~5t程度。 (2) 工事用ウインチ 原動機を備えているもので,巻胴の数により単胴,複胴,多胴の形式がある。原動機を回転させておき,作業時にはクラッチを断続させて巻胴を操作する。単胴で 10~30馬力,ロープ速度毎分 30~50m程度。 (3) 小型ウインチ 電動機や減速歯車装置を巻胴と一体にし,(2) を小型・簡便化したもの。いずれもバンドブレーキや爪車装置を備え,巻降ろし速度の調節や吊下げ保持をする。油圧駆動式のものも製作されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウインチ」の意味・わかりやすい解説

ウィンチ
うぃんち
winch

円筒形の巻き胴にワイヤロープまたはチェーンを巻き付け、巻き胴を回転させてそれらを引き寄せ重量物を動かしたり、また滑車を介してつり上げたりする巻上げ機械。小形のものは手巻きウィンチといい、クランクハンドルを人力で回し、歯車を使用して巻き胴を駆動する。クランクから手を離しても荷が落下しないようにブレーキがついている。大形のものは内燃機関か電動機で駆動される。歯車と巻き胴との間にクラッチがあり、原動機から動力を巻き胴に伝えたり切ったりすることができる。荷を保持するには、クラッチで切ったのちブレーキをかける。荷を降ろすにはブレーキを緩めればよい。巻き胴の数により単胴、複胴、多胴ウィンチに分類される。工場での重量物運搬、土木、鉱山、船舶用に広く利用されている。

[中山秀太郎]


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