ウインチ(その他表記)winch

翻訳|winch

デジタル大辞泉 「ウインチ」の意味・読み・例文・類語

ウインチ(winch)

円筒形の巻き胴を回転させ、それにつけたロープや鎖などを巻き取ったり戻したりして重量物を上げ下ろしする機械。巻き上げ機。

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精選版 日本国語大辞典 「ウインチ」の意味・読み・例文・類語

ウインチ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] winch ) ワイヤーロープや鎖を円筒形の巻き胴に巻き取って、重量物を巻き上げたり引き寄せたりする機械。巻き上げ機。
    1. [初出の実例]「はや一団の水夫等は捲揚機(ウインチ)周囲に走せ集って」(出典海底軍艦(1900)〈押川春浪〉三)

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改訂新版 世界大百科事典 「ウインチ」の意味・わかりやすい解説

ウィンチ
winch

巻上機巻上装置ともいう。ワイヤロープを,巻胴と呼ばれる円筒形状の部品に巻き取ることによって,荷をつり上げたり,引き寄せたりする装置。簡易なものでは繊維ロープを用いる場合もある。ウィンチは,荷役機械の基本的要素であり,建設工事,船舶鉱山港湾や工場の各種クレーンなどに広く用いられる。規模も,小は簡易作業用の手巻ウィンチから,大は出力数千kWに及ぶ鉱山立坑用巻上機までさまざまである。構造は,用途や能力により異なるが,一般的には電動機,歯車減速装置,巻胴,ブレーキ装置などにより構成される工事用,移動式クレーン用,船舶用などでは,内燃機関も多用され,油圧駆動方式を採用する例も多い。また高頻度で使用されるクレーンの巻上装置や鉱山用巻上機においては,半導体を利用した交流電動機の一次可変電圧制御や,直流電動機の静止レオナード制御などの高性能の電動機制御方式が活用されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウインチ」の意味・わかりやすい解説

ウインチ
winch

巻胴にワイヤロープや鎖を巻取り,重量物を引寄せたり,吊上げたりする簡便な物上げ機械。土木・建築現場,鉱山,船舶,その他で広く使われている。力を増大させるために駆動軸と巻胴の間に減速歯車装置を設ける。駆動方法によって次のように大別される。 (1) 手巻ウインチ 枠組みの中にある巻胴を,歯車を介してハンドルで回すもの。巻上げ容量は 0.2~5t程度。 (2) 工事用ウインチ 原動機を備えているもので,巻胴の数により単胴,複胴,多胴の形式がある。原動機を回転させておき,作業時にはクラッチを断続させて巻胴を操作する。単胴で 10~30馬力,ロープ速度毎分 30~50m程度。 (3) 小型ウインチ 電動機や減速歯車装置を巻胴と一体にし,(2) を小型・簡便化したもの。いずれもバンドブレーキや爪車装置を備え,巻降ろし速度の調節や吊下げ保持をする。油圧駆動式のものも製作されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウインチ」の意味・わかりやすい解説

ウィンチ
うぃんち
winch

円筒形の巻き胴にワイヤロープまたはチェーンを巻き付け、巻き胴を回転させてそれらを引き寄せ重量物を動かしたり、また滑車を介してつり上げたりする巻上げ機械。小形のものは手巻きウィンチといい、クランクハンドルを人力で回し、歯車を使用して巻き胴を駆動する。クランクから手を離しても荷が落下しないようにブレーキがついている。大形のものは内燃機関か電動機で駆動される。歯車と巻き胴との間にクラッチがあり、原動機から動力を巻き胴に伝えたり切ったりすることができる。荷を保持するには、クラッチで切ったのちブレーキをかける。荷を降ろすにはブレーキを緩めればよい。巻き胴の数により単胴、複胴、多胴ウィンチに分類される。工場での重量物運搬、土木、鉱山、船舶用に広く利用されている。

[中山秀太郎]


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百科事典マイペディア 「ウインチ」の意味・わかりやすい解説

ウィンチ

巻上機,巻上装置とも。巻胴にロープやチェーンを巻いて重量物のつり上げや移動に用いる荷役機械。巻胴,原動機,歯車減速装置などからなる。単独または他の装置と組み合わせて,船の荷役,建設工事その他に広く使用。電動式が主だが,油圧式,内燃機関式,手巻きもある。
→関連項目荷役機械

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パラグライダー用語辞典 「ウインチ」の解説

ウインチ

エンジンを利用した巻上げ機のこと。トーイングを参照。

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