ウェルバ(読み)うぇるば(英語表記)Huelva

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウェルバ」の意味・わかりやすい解説

ウェルバ
うぇるば
Huelva

スペイン南西部、アンダルシア地方ウェルバ県の県都。人口14万2284(2001)。大西洋に面するカディス湾岸に近く、航行河川のオディエル川がティント川と合流する地点に位置する。フェニキア以来の古い港湾都市。銅鉱石の輸出で知られるほか、約100キロメートル南東のカディスと並ぶ重要な漁港でもあり、南大西洋の漁業ではスペイン第一の水揚高を誇る。魚の缶詰工業のほか、化学工業が立地し、南には精油所が建設された。かつてはカルタゴの商取引中心地、その後ローマの植民地となり、水道遺跡がある。コロンブスや、コルテスをはじめとするコンキスタドレス(征服者)の基地として有名で、コロンブスが最初の航海の計画をたてたラ・ラビダ修道院や、サン・ホルヘ教会などの史跡が豊富である。

田辺 裕・滝沢由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェルバ」の意味・わかりやすい解説

ウエルバ
Huelva

スペイン南西部,アンダルシア州,ウエルバ県の県都。ポルトガルとの国境近く,大西洋に面する港湾都市。オディエル,ティント両川の河口に位置する。カルタゴ人がつくった商業基地が発展したもので,ローマ人も植民した。コロンブスのアメリカ大陸航海 400年を記念する巨大な像 (1892) が立っている。現在はリオティントの銅やその他鉱石輸送の中継港,ブドウ,オリーブ,コルクの積出港として,またイワシ・マグロ・カツオ漁の基地として繁栄造船工業もある。鉄道はセビリア,サフラ,アヤモンテに通じている。人口 14万 1041 (1991推計) 。

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