日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウォルビス・ベイ」の意味・わかりやすい解説
ウォルビス・ベイ
うぉるびすべい
Walvis Bay
アフリカ南西部、ナミビア(旧南西アフリカ)最大の港町。人口5万(1999)。1878年ケープ植民地に帰属。アフリカ分割を決めた84~85年のベルリン会議で南西アフリカはドイツ領となったが、ウォルビス・ベイだけは依然としてケープ植民地に帰属し、1910年の南アフリカ連邦(現南アフリカ共和国)成立とともに連邦に帰属した。第一次世界大戦後、南西アフリカは南ア連邦の委任統治領になったが、68年国連は南ア連邦の統治を不法と宣言し、ナミビアと改称した。90年に独立、ウォルビス・ベイは94年3月にナミビアに返還された。ニシン、イワシの水揚げ量を誇っていたが、近年乱獲のため激減した。港はペリカン岬に通じる半島の内側にある良港で、大型クレーンなど近代的施設を備える。南ア共和国のケープ・タウンに通じる鉄道の終点でもある。魚缶詰、魚粉、魚油製造などの産業も発達している。
[林 晃史]