ウッドハウス
Pelham Grenville Wodehouse
生没年:1881-1975
イギリスのユーモア作家。サリー州生れ。ロンドン大学ダルウィッチ・カレッジ在学(1894-1900)。ロンドンで銀行員をしながら文筆に従事。以後も英米の雑誌で劇評その他に活躍。1902年最初の小説《しろうと収集家》を発表した。そののち,プスミス,ジーブズ,マリナーなどの愉快な人物の登場する《プスミスにまかせろ》(1923),《比類なきジーブズ》(1923)以下長編70冊,短編集30冊,劇40編以上を出版しているが,なかでもバーディ・ウースターとその召使いジーブズの活躍するジーブズものがすぐれている。彼の人気の秘密は,第1次大戦前のイギリス上流階級の生活を郷愁的に戯画化し,多くの少年たちにその代償経験を与えたことによる面が大きい。1910年以降は半ばアメリカ合衆国に移住していたが,第2次大戦中リビエラの別荘でドイツ軍の捕虜となり,ナチスの宣伝に協力して物議をかもしたことがある。55年合衆国に帰化した。
執筆者:鈴木 建三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ウッドハウス(Pelham Grenville Wodehouse)
うっどはうす
Pelham Grenville Wodehouse
(1881―1975)
イギリスの小説家。ロンドンの銀行勤めのかたわら小説に筆を染め、20世紀初頭のイギリス上流階級に属する奇矯な人物の生活をユーモラスに描いた膨大な数にのぼる長短編小説で一代の人気を博した。代表作『類(たぐい)なきジーブズ』(1923)の名執事ジーブズは、巧みな用語法と滑稽(こっけい)な場面の創造に長ずる彼の筆が生んだ伝説的人物である。作品にはほかに、『マイク』(1909)、『シティのスミス』(1910)、『アーチーの軽はずみ』(1921)、『夏の稲妻』(1929)などがあるが、その人気の原因はパブリック・スクール生活への郷愁を背景とした、よき時代の保守趣味にある。1955年アメリカに帰化した。
[小野寺健]
『『世界ユーモア全集 4』(1961・筑摩書房)』▽『ウッドハウス著、原田敬一訳『ゴルフ人生』(1981・日本経済新聞社)』▽『G・オーウェル著『P・G・ウドハウス弁護』(小野寺健編・訳『オーウェル評論集』所収・岩波文庫)』
ウッドハウス(Christopher Montague Woodhouse)
うっどはうす
Christopher Montague Woodhouse
(1917―2001)
イギリスの小説家、政治家。1942~1944年、ドイツ支配下のギリシアで山岳ゲリラ隊に加わり、その体験から『争いの種』(1948)を書いた。また、12の物語からなる『ある前兆』(1950)は特異な想像力で知られる。そのほか評論『ドストエフスキー』(1951)がある。第二次世界大戦後ギリシア、イランで外交官として活躍した。帰国後、政府・外交諸機関に関係し、保守党政治家としてマクミラン、ヒューム両内閣に加わり、内務省次官などの要職についた。下院議員(1959~1966、1970~1974)。また王立美術院会員、学士院会員、同評議会議長(1977~1986)、ケンブリッジ、オックスフォード大学客員教授の要職も歴任した。
[山口圭三郎]
『C・M・ウッドハウス著、西村六郎訳『近代ギリシァ史』(1997・みすず書房)』
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ウッドハウス
Wodehouse, Sir Pelham Grenville
[生]1881.10.15. サリー,ギルフォード
[没]1975.2.14. ニューヨーク,サウサンプトン
イギリスのユーモア作家。多作家として有名。上流階級の生活に材を取った『シティーのプスミス』 Psmith in the City (1910) のほか,機知縦横の執事を主人公にした,一連の「ジーブズ」 Jeevesものがある。 1955年アメリカに帰化した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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「ウッドハウス」の意味・わかりやすい解説
ウッドハウス
英国の作家。1955年米国に帰化。多数の喜劇的長編・短編により,ユーモア作家として世界的に有名。代表作は《比類なきジーブズ》(1924年)など。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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ウッドハウス
生年月日:1917年5月11日
イギリスの小説家,政治家
2001年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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