ウルカギナ(読み)うるかぎな(英語表記)Urukagina

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウルカギナ」の意味・わかりやすい解説

ウルカギナ
うるかぎな
Urukagina

生没年不詳。シュメール初期王朝時代(前2350ころ)のラガシュ都市国家の王。ウルイニムギナと読むほうが正しいとされている。治世中に書かれた多数の粘土板文書があり、シュメール社会経済史の研究に貴重な資料となっている。また、統治理念を書き記した、いわゆる「改革碑文」には、神の家、畑を神に戻したとの記述がある。それが、シュメールは神殿都市であるという根拠になっているが、単なる考え方を記述しただけで実体はなかったという批判が有力になっている。孤児寡婦を保護したという記述は、『ハムラビ法典』に継承される社会正義の最初の宣言であるとされる。同王の時代ラガシュは、隣接する都市国家ウンマルガルザゲシに敗れ、神殿を焼かれ、略奪を受けた。

前田 徹]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルカギナ」の意味・わかりやすい解説

ウル=カ=ギナ
Uru-Ka-Gina

古代シュメールの都市国家ラガシュの初期王朝時代末期の王 (在位?~前 2375頃) 。悪弊を廃し,秩序を回復するため,社会改革を断行した。のち隣国のウンマに敗れ,独立を失った。発掘されたウル=カ=ギナの法令は,法律政治に関する史料として重要。

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