エイズのおもな合併症(読み)えいずのおもながっぺいしょう

家庭医学館 「エイズのおもな合併症」の解説

えいずのおもながっぺいしょう【エイズのおもな合併症】

 エイズになると、合併症がおこりやすく、いくつか重なっておこることがあります。このため、いろいろな症状が現われてきます。
 日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)のうち、カリニ肺炎非定型抗酸菌症(ひていけいこうさんきんしょう)、結核は、予防治療ができます。また、日和見感染がおこっても、効果的な治療ができるようになってきました。たとえば、カリニ肺炎はST合剤とペンタミジンで、サイトメガロウイルス感染ガンシクロビルで、カンジダ症・クリプトコッカス症はフルコナゾールなどの抗真菌薬(こうしんきんやく)で、非定型抗酸菌症はクラリスロマイシンを中心にした多剤併用療法で、ヘルペス感染症アシクロビルで、十分な治療効果が得られるようになりました。
 しかし、多巣性白質脳症(たそうせいはくしつのうしょう)など、まったく治療法のない合併症もあります。
 このように、まだ不十分ではありますが、治療の効果があがっていて、発病を先送りできるようになりました。
■日和見感染症
 カリニ肺炎(「ニューモシスチス・カリニ肺炎(カリニ肺炎)」)、口腔(こうくう)カンジダ症(「口腔カンジダ症(鵞口瘡)」)、単純ヘルペス脳炎(「単純ヘルペス脳炎」)、単純ヘルペス(「単純ヘルペス」)、クリプトコッカス症(髄膜炎(ずいまくえん)(「髄膜炎とは」))、クリプトスポリジウム症(下痢など)、非定型抗酸菌症(「非定型抗酸菌症」)、サイトメガロウイルス肺炎(「サイトメガロウイルス肺炎」)、帯状疱疹(たいじょうほうしん)(「帯状疱疹」)、ノカルジア症(肺膿瘍(はいのうよう)など)、肺結核(「肺結核」)、EBウイルス感染症(伝染性単核症(「伝染性単核症」)など)、アスペルギルス腫(しゅ)(コラム「肺真菌症の病変」)、ムコール症(鼻、脳、肺、胃腸などに病変)、アメーバ性肝膿瘍(せいかんのうよう)(「肝膿瘍」)、敗血症(「敗血症」)
■悪性腫瘍(あくせいしゅよう)
 カポジ肉腫悪性リンパ腫(「悪性リンパ腫」)

出典 小学館家庭医学館について 情報