伝染性単核(球)症は、米国では「キス病」とも呼ばれている急性感染症です。
原因はエプスタイン・バー・ウイルス(EBウイルス)の感染で、主に唾液を介して感染します。感染する時期(年齢)によって症状の現れ方が異なります。乳幼児期では
EBウイルスは一度感染すると、その後は潜伏感染状態となり、終生にわたって共存します。そのため、急性感染症以外にもいろいろな病気を引き起こすことがわかってきました(コラム)。
大人では90%以上がすでに陽性者で、世界中に
潜伏期間は、ほかのウイルスに比べると長く、30~40日と考えられています。主な症状は発熱、
まず頭痛、熱感、
約3分の1の患者さんに、
血液検査で白血球の増加(末梢血中の単核球の増加と異型リンパ球の出現)が、また肝機能の異常(急性肝炎)が80%の患者さんにみられます。
診断はEBウイルスの抗体検査で確定します。ほかのウイルス感染や悪性リンパ腫、リンパ性白血病などとの区別が必要になります。
この病気に特別な治療法はなく、安静と対症療法が中心です。咽頭痛がひどい場合は、アセトアミノフェンなどを用います。症状が長引く場合は、ステロイドホルモン薬(体重1㎏あたり0.5~1㎎)を用います。アシクロビル(ゾビラックス)などの抗ウイルス薬の有効性は証明されていません。
一般的に予後は良好で、1~3カ月で治ります。重症型には、
発熱が1週間続く場合は、病院で精密検査を受けてください。症状が進行して
ワクチンが開発されていますが、実用化はされていません。ほとんどの大人は既感染者なので、他人への
河 敬世
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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