フランスの技術者。ディジョンに生まれる。パリ中央工芸学校卒業後、1855年以来、数多くの橋梁(きょうりょう)を設計、さらに鉄骨構造に関する理論研究、また空気力学の理論的解明などに多くの成果を残した。とくに、細い部材を合理的に組み立てた軽い鉄骨トラス構造の開発は画期的であり、巨大な鉄梁を必要とした従来の架構法とは異なる、軽量大規模構造物が実施可能となった。1889年のパリ万国博覧会を記念して建てられた、高さ300メートルのエッフェル塔設計で有名である(2012年時点でアンテナを含め324メートル)。1866年に開設した鉄骨建築研究所は、後年ルバロワ・ペレー建築協会に発展し、世界の鉄骨建築研究の中心になった。また、パナマ運河水門の設計を行ったほか、1912年にはオートゥイユに航空力学研究所を設け、エッフェル式風洞を考案した。さらに晩年は気象学および風力測定の研究に移った。
[村松貞次郎・藤原恵洋]
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…アメリカ合衆国,ニューヨーク港内のリバティ島にある女神像。アメリカの独立100年祭を祝い,フランス,アメリカ両国の友好のために,フランス人の歴史家É.deラブレーが女神像のアメリカへの寄贈を提案,フランス民衆の募金をもとに彫刻家バルトルディF.A.Bartholdi(1834‐1904)が設計,G.エッフェルの製作した鉄製の骨組みを銅板でおおった女神像が,1886年リバティ島に建てられた。像の正式の名称は〈世界を照らす自由Liberty Enlightening the World〉で,右手に自由のたいまつを掲げ,左手には1776年7月4日と記した独立宣言書を抱えている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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