イギリスの批評家ウォルター・ペイターの哲学小説。1885年刊。作者は時代をマルクス・アウレリウス帝のローマにとり、マリウスの故郷エトラスカ地方での少年期、ピサへの遊学、皇帝の側近としてのローマでの生活を背景に、一つの魂が読書や友情の影響を受け変化してゆくさまざまな精神的反応を描いた。「彼の情緒と思想」と副題がついているのはそのためだが、アプレイウスの『黄金のロバ』、ヘラクレイトスやアリスティッポスの享楽主義的(エピキュリアン)哲学、皇帝を通じて知ったストイシズム、そして最後にキリスト教の新しい波に洗われる主人公マリウスの魂は、しかし実は19世紀を誠実に生きようとした作者の繊細な魂でもあって、これはその意味では教養小説の傑作でもある。
[前川祐一]
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新