ローマの悲劇・叙事詩人。イタリア半島の先端カラブリア地方ルディアエに生まれた。前204年に当時クアエストル(財務官)であった大カトーの知遇を得てローマに赴いた。ローマに居を移したエンニウスは後にローマの市民権を獲得する。前189年にはコンスルのマルクス・フルウィウス・ノビリオルのアイトリア遠征に伴い,その模様を叙事詩《年代記》の中で記している。彼の作品は断片が伝わるのみであるが,その中からも彼の詩的才能をうかがい知ることができる。悲劇は約20編の題名が伝えられており,多くはエウリピデスの翻案である。アエネアスのローマ到着以来の歴史を扱った叙事詩《年代記》は,ホメロスの用いた六脚韻をラテン語に初めて導入し,以後のラテン叙事詩の韻律に決定的な影響を与えた。ウェルギリウスの《アエネーイス》にも大きな影響を残したこの叙事詩が,断片としてしか知られていないのは惜しまれる。
執筆者:平田 真
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古代ローマ初期の詩人。広いギリシア的教養を身につけて上流指導層と交わった。作品は悲劇、喜劇、史劇、教訓詩、頌徳(しょうとく)詩、エピグラムなど実に多岐にわたった。なかでもローマ史をホメロスの手法で歌った晩年の叙事詩『年代記』によって、国民叙事詩の可能性を開拓したために、「ラテン文学の父」とよばれて、多くの詩人、とくにウェルギリウスに大きな影響を与えた。
[中山恒夫]
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…ギリシアのイソップ(アイソポス)が作ったと伝えられる動物寓話集。動物などの性格や行動に託して,ギリシアの一般大衆に,いかにすれば人は平穏無事に人生をおくることができるかを教える処生訓であった。この寓話形式はすでにヘシオドス(《農と暦(仕事と日々)》202~212行),アルキロコス(断片86,89)などによって使用され,前6世紀ころイソップによって大成された。その後,前5~前4世紀に流行をみ,また文人などにも愛好されて,アリストファネスやクセノフォンなどが著作の中でイソップの名とともに動物寓話に言及している。…
…ラテン語で書かれた文学の総称。通常古代ローマの文学を指し,西欧の中世と近世のものは,中世(近世)ラテン文学と呼んで区別する。ラテン文学は前3世紀,ギリシア文学の影響を受けて発生し,つねにギリシア文学を摂取することによって成長開花したために,19世紀にはヘレニズム文学の亜流として軽視されたが,今日再びその独自性と真価が認められている。その特徴と歴史的役割を要約すれば,(1)ギリシア文学を継承して西欧に伝えたヘレニズム的役割,(2)ローマ人の国民文学としての面,(3)ローマ世界帝国の普遍的な文学としての面,(4)キリスト教ラテン文学を内包していること,などが挙げられる。…
※「エンニウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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