ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エンニウス」の意味・わかりやすい解説
エンニウス
Ennius, Quintus
[没]前169
ローマの詩人。ラテン文学の父。南イタリアのギリシア文化圏で育ち,ギリシア語,ラテン語,オスク語を話し,ローマの軍隊に百人隊長として勤務。大カトーの保護を得て首都に出てギリシア語の教師となり,詩作を始め,大スキピオほか多くの有力者を友にもって,前 184年ローマ市民権獲得。代表作は,伝説時代から同時代までのローマ史を歌ったローマ最初のホメロス風英雄叙事詩『年代記』 Annales (18巻,前 169頃完成) ,およびギリシア悲劇の翻案およそ 20編。ほかにローマ史のエピソードを題材としたプラエテクスタ劇,喜劇,サトゥラ (雑録詩集) ,エピグラムなどもあり,多作であった。現存するのは一部の断片のみ。
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