日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオカバマダラ」の意味・わかりやすい解説
オオカバマダラ
おおかばまだら / 大樺斑蝶
monarch
milkweed butterfly
[学] Danaus plexippus
昆虫綱鱗翅(りんし)目マダラチョウ科に属するチョウ。もともと南・北アメリカ原産の種であるが、太平洋の諸島や東洋熱帯にも分布し、これらの地域にはトウワタの栽培とともに二次的に広がったものといわれている。移動性の強い種で、群れをつくってアメリカ大陸から大西洋を経てヨーロッパに渡った例も知られている。日本では1950年(昭和25)に東京都下で2例の発見例があるほか、58年には奄美(あまみ)大島で発生がみられたが、これらは迷チョウまたは迷チョウに基づく一時的な発生である。アメリカでは夏季はカナダ南部まで分布するが、冬季は合衆国南部のカリフォルニア州、フロリダ州、あるいはメキシコまで移動し、集団をつくって越冬する。幼虫の食草はガガイモ科植物のトウワタである。
[白水 隆]