域外生産あるいは再輸出生産などともいう。先進国の民間資本が発展途上国などに海外生産拠点を設け、そこで本国市場および第三国市場向けの輸出を目的とした生産を行うこと。オフショア生産は1960年代初めから多くなった現象で、発展途上国側においても、工業化の促進あるいは外貨の獲得などの目的と一致していたため、積極的な外資優遇策が講じられた。台湾、韓国、香港(ホンコン)、シンガポール、メキシコなど、政治的に安定した投資リスクの小さいところで行われている。しかしオフショア生産は、低賃金労働力を目的とし労働集約的過程を移転したにすぎず、受入れ国への付加価値も小さく、他部門への波及効果も弱いことから、発展途上国の国民経済とかけ離れた外国企業のための「飛び地」であるとの批判もなされている。
[秋山憲治]
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