安全弁(読み)あんぜんべん(英語表記)safety valve

翻訳|safety valve

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガス,蒸気液体などの作業流体を取扱う機器または配管において,作業流体が規定の最高圧力をこえるのを防止するために取付けるボイラなどの圧力が規定値以上に上がると安全弁が自動的に開いて蒸気や気体を逃し,再び規定の圧力まで下げる作用をする。弁板へ荷重を与える構造によって,ばね式,おもり式,てこ式がある。おもり式は動揺振動の激しい機器には不適当であり,ボイラ用には原則としてばね式が用いられる。てこ式は弁に加わる力が 600kgf (約 5.9×103N ) 以下のものに限られる。このほか,ガス圧力が規定以上になったとき薄板がこわれてガスを排出させる薄板安全弁や,容器内のガス温度の上昇により合金片が溶けてガスを排出させる可溶片安全弁がある。

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デジタル大辞泉の解説

ボンベやボイラーなどの高圧容器の安全装置の一。容器内の流体の圧力が規定以上になると、自動的に開いて流体を放出する弁。
危険をあらかじめ防ぐ働きをするもの。「民主的な討論が、指導者の独走を許さない安全弁になる」

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百科事典マイペディアの解説

蒸気ボイラー,過熱器や圧力容器に取り付け,内部の圧力が必要以上に高くなったとき,これを自動的に外部に排出させ,再び圧力を正常の制限内に戻す機能をもつバルブ。最高使用圧力の数%を越えると開くように,おもり,ばねなどを釣り合わせる。家庭用圧力鍋などは比較的簡略なおもりを用いた安全弁を使用しているが,ボイラーなどでは弁体をばねで押さえる〈ばね式安全弁〉が一般的。
→関連項目バルブ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

圧力釜(がま)や蒸気ボイラーなどで、蒸気の圧力が過度に上昇した場合、爆発を防ぐため、自動的に蒸気を大気中に放出して圧力を下げるための弁。その構造から、小形ボイラー用に使われるてこを利用したもの、ばねの圧縮力を利用したもの、おもりを弁の上にのせたものなど各種ある。いずれも、ときどき、使用中に点検し、確実に作動するかを確認する必要がある。

[中山秀太郎]


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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① (safety valve の訳語) ボンベやボイラーなど高圧容器、装置内の圧力が規定以上に上昇した時、内部の水蒸気やガスを自動的に放出して爆発などの危険を防止するための弁。
※舶用機械学独案内(1881)〈馬場新八・吉田貞一〉前「若し又速に水を充てんと欲せば安全弁(アンゼンベン)を開くべし」
② (比喩的に) 危険を前もって防ぐ働きをするもの。
※黒潮(1903)〈徳富蘆花〉「弱点は、処世の上から云って、人の安全弁である」

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世界大百科事典内の安全弁の言及

【バルブ】より

…揚水ポンプには,ポンプ停止時の水の落下を防ぐため,必ず逆止め弁が取り付けられる。(7)安全弁 一定の圧力以上になると自動的に弁が開いて流体を放出し,圧力が下がると自然に吹き止まるもので,ボイラーなどの高圧容器が過大な内圧によって破壊されることを未然に防ぐために使われる。機器の安全と保護のためにきわめて重要で高い信頼性が要求される。…

※「安全弁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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