オーバープレゼンス(読み)おーばーぷれぜんす(その他表記)over presence

デジタル大辞泉 「オーバープレゼンス」の意味・読み・例文・類語

オーバープレゼンス(overpresence)

目立ち過ぎること。また、過度の経済的進出についてもいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーバープレゼンス」の意味・わかりやすい解説

オーバー・プレゼンス
おーばーぷれぜんす
over presence

ある特定地域に短期間で集中的に大量の輸出や海外直接投資が行われる過剰進出の現象をいう。1970~1973年(昭和45~48)にかけて日本企業がタイ、インドネシアに集中的に進出したことから、現地に日本企業や日本製品が氾濫(はんらん)し、日本企業の支配脅威に対してナショナリズム反感が高まり、強い対日批判に発展した。また、1980年代後半のバブル期においても、日系企業がアメリカのハワイロサンゼルスニューヨークなどに集中豪雨的な投資を行い、またソニーのコロンビア映画や三菱(みつびし)地所ロックフェラー・センターのような大型かつ目だつ買収が行われ、投資摩擦を引き起こした。海外直接投資においても、技術の移転や経営の現地化、雇用の創造などを進め、現地との摩擦を起こさない適切な進出が必要とされている。近年、被投資国において外資のオーバー・プレゼンスが問題視される場合もあるが、中国の外資導入による経済成長に代表されるように、外資を積極的に受入れる政策がとられている。また、現地の経済発展に必要な外資を選別的に導入する政策もみられる。

[秋山憲治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーバープレゼンス」の意味・わかりやすい解説

オーバープレゼンス
over-presence

ある国で特定の外国の存在が特に目立ち,その国の国民の反感を買うなど好ましくない影響をもたらすこと。外国の駐留軍の存在など政治面でもオーバープレゼンスの例はあるが,日本との関係で特に重要なのは,経済面のそれである。たとえば (1) 特定の外国の輸出品が国内市場にあふれることによるもの,(2) 特定の外国の商品や企業の宣伝が目立つことによるもの,(3) 特定の外国からの対外直接投資の急増によるもの,などがあげられる。 1980年代後半からは先進国においても対外直接投資の急増を背景に (3) のタイプの問題を生じさせるおそれが出てきている。今後は地元との融和を図るなど「良き企業市民」としての行動が日本の企業にますます求められている。

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