ある特定地域に短期間で集中的に大量の輸出や海外直接投資が行われる過剰進出の現象をいう。1970~1973年(昭和45~48)にかけて日本企業がタイ、インドネシアに集中的に進出したことから、現地に日本企業や日本製品が氾濫(はんらん)し、日本企業の支配の脅威に対してナショナリズムの反感が高まり、強い対日批判に発展した。また、1980年代後半のバブル期においても、日系企業がアメリカのハワイやロサンゼルス、ニューヨークなどに集中豪雨的な投資を行い、またソニーのコロンビア映画や三菱(みつびし)地所のロックフェラー・センターのような大型かつ目だつ買収が行われ、投資摩擦を引き起こした。海外直接投資においても、技術の移転や経営の現地化、雇用の創造などを進め、現地との摩擦を起こさない適切な進出が必要とされている。近年、被投資国において外資のオーバー・プレゼンスが問題視される場合もあるが、中国の外資導入による経済成長に代表されるように、外資を積極的に受入れる政策がとられている。また、現地の経済発展に必要な外資を選別的に導入する政策もみられる。
[秋山憲治]
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