日本大百科全書(ニッポニカ) 「バカラ」の意味・わかりやすい解説
バカラ
ばから
baccarat
トランプを使用する賭(か)け事。日本の花札を使用する「おいちょかぶ」や中国の骨牌(グーパイ)を使用する「牌九(パイチユー)」と同じ考え方で、胴と客(親と子)が、配られた二枚または三枚の札の合計点から、10またはその倍数を差し引いて残りが九となるのを最高として争うゲーム。フランスでシャルル8世(在位1483~98)の時代に始まり上流社会で流行したが、その後ヨーロッパ各国およびアメリカに伝えられたといわれる。現在は世界各国のおもなカジノ(公認賭博(とばく)場)で、ルーレットとともに中心的な賭け事となっている。特殊なテーブルを囲んで行われるが、賭博場によってテーブルの形状とやり方が異なる。8人または12人の客がテーブルを囲んで、順次にまたは特定の場所に座った人が胴となり、胴と他の客全員とが同時に勝敗を争うところと、胴は経営者側の専門家がやり、7人の客が胴と相対して座り、客ごとに一対一で勝敗を争うところとがある。
[倉茂貞助]