カッソーラ(その他表記)Carlo Cassola

改訂新版 世界大百科事典 「カッソーラ」の意味・わかりやすい解説

カッソーラ
Carlo Cassola
生没年:1917-87

イタリア作家。平凡な日常的事実のさりげない描写を通じて人生の姿を伝える作品に優れる。《森林伐採》(1954),《乾いた心》(1961),《ローカル鉄道》(1968)等が代表的。《ブーベ恋人》(1960)の成功後,ネオレアリズモ的主題を捨てたが,近年,現代文明の危機を寓意する《男と犬》(1977),《芸術家生涯》(1980),《反逆者》(1981)等を発表している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カッソーラ」の意味・わかりやすい解説

カッソーラ
Cassola, Carlo

[生]1917.3.17. ローマ
[没]1987.1.29. モンテカルロ
イタリアの小説家。反ファシズム闘争の渦中に青年時代をおくり,ネオレアリズモの作家として出発した。トスカナ地方の町グロッセートを舞台に長・短編小説を書き継いだ。主著ファウストアンナ』 Fausto e Anna (1952) ,『ブーベの恋人』 La ragazza di Bube (60) ,『忘れがたき日々』 Tempi memorabili (66) ,『恐れと悲しみ』 Paura e tristezza (70) ,『敵対者』 Antagonista (76) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カッソーラ」の意味・わかりやすい解説

カッソーラ
かっそーら
Carlo Cassola
(1917―1987)

イタリアの小説家。1930年代後半からエルメティズモ詩の影響下にまず短編小説を書き始め、レジスタンスを戦ったのちは、長編『ファウストとアンナ』(1952)、『ブーベの恋人』(1960)などを発表してネオレアリズモ文学一翼を担った。トスカナ地方を舞台に一貫して庶民の日常を描きながら、個人の内面を没歴史的に追究する独自の作風をもつが、近年ますます本来の叙情性が純度を高めつつある。

[林 和宏]

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