カドワース
かどわーす
Ralph Cudworth
(1617―1688)
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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カドワース
Cudworth, Ralph
[生]1617. サマセット,アラー
[没]1688.6.26. ケンブリッジ
イギリスのケンブリッジ・プラトン学派の指導的哲学者 (→ケンブリッジ・プラトニスト ) 。ケンブリッジ大学に学び,1645年以降同大学教授。 54年にはクライスト・カレッジの校長となる。神秘的理性的なプラトン主義に立ち,ホッブズやスピノザに代表される唯物的無神論を論駁,神の永遠なる知性を擁護し,決定論に対しては人間の自由意志を確証。また倫理説においては,善は理性的存在たる人間が神の意志に従うことによるものと考えた。主著『宇宙の真の知的体系』 The True Intellectual System of the Universe (1678) ,"A Treatise concerning Eternal and Immutable Morality" (1731) など。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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カドワース
Ralph Cudworth
生没年:1617-88
イギリスの神学者,哲学者。ケンブリッジ大学によって,プラトン哲学の再興を志したケンブリッジ・プラトン学派の総帥。永遠の哲学の立場から,カルバン,デカルト,ホッブズらの思想を批判した。主著に《宇宙の真の英知的体系》(1678),《永遠不動の道徳性に関する論考》(1731)がある。父の遺志を広めた娘のダマリスamarisも有名。
執筆者:大沼 忠弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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カドワース
英国,ケンブリッジ・プラトン学派の指導的哲学者,神学者。プラトン主義の立場からデカルト,ホッブズらの機械論・無神論を批判した。主著《宇宙の真の英知的体系》(1678年)。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内のカドワースの言及
【ケンブリッジ・プラトン学派】より
…17世紀後半のイギリスで,プラトン主義の再興によってルネサンス的人文主義とキリスト教神学の相克を融和しようとした一群の思想家の総称。創唱者のウィッチコートBenjamin Whichcote,その弟子のカドワース,H.モア,スミスJohn Smithなどがケンブリッジ大学に拠っていたのでこの名がある。当時,道徳の起源が論争の的になっていた。…
【物活論】より
…物質が本質的に活力・生命力を,また生命力・運動力の根源としての魂をもつとみる世界観の一つ。機械論的傾向に反対したケンブリッジ・プラトン学派のカドワースが17世紀末ころ,ギリシア語のhylē(素材・物質)とzōē(生命)から造語したのが始まりとされる。初期ギリシアの,いわゆる自然哲学者タレス,アナクシマンドロス,アナクシメネスら[イオニア(ミレトス)学派]の人びと,あるいはヘラクレイトスらはそれぞれ〈水〉〈無限者(ト・アペイロン)〉〈空気〉そして〈火〉を一つの生ける原物質([アルケー])とし,これから万有の生成,あらゆる運動・変化が由来すると考えたが,この考えが物活論の原形をなす。…
※「カドワース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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