日本大百科全書(ニッポニカ) 「カマハシ」の意味・わかりやすい解説
カマハシ
かまはし / 鎌嘴
scimitarbill
鳥綱ブッポウソウ目カマハシ科カマハシ属に含まれる鳥の総称。この属Rhinopomastusには2種あるが、ともにアフリカに分布し、全長約30センチメートル、長いくさび形をした尾をもつ。嘴(くちばし)が、長い鎌(かま)のような形をしているところからこの和名があるが、英名もまた、湾曲した嘴を三日月刀scimitarに見立てたところに由来する。体の色は金属光沢のある青緑色をしており、翼や尾には白斑(はくはん)がある。足の指は、第3指と第4指が癒着している。サバナや林縁にすみ、木の割れ目に嘴を突っ込んで昆虫をあさったり、木の実を食べたりする。木の穴を巣として利用し産卵するが、かび臭い悪臭を放つ。キツツキの古巣を利用することもある。カマハシ科にはカマハシ属のほかにモリヤツガシラ属Phoeniculusがあるが、羽色も習性もカマハシ属にたいへん類似している。ただ嘴が、モリヤツガシラ属のほうがやや短いのが特徴である。
[高野伸二]