日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラジウム」の意味・わかりやすい解説
カラジウム
からじうむ
[学] Caladium
サトイモ科(APG分類:サトイモ科)の観葉植物。和名ニシキイモ。南アメリカに16種分布し、このうち2種が観賞用に栽培され、いずれも不耐寒性の球根草である。一般にカラジウムと称するC. bicolor Vent.はサトイモの葉を小形にしたような薄い楯(たて)形の葉をもち、赤、紫、桃、白などの紋様や斑(ふ)が入って美しい。日本には明治中期に渡来し、初夏からの観葉鉢植えとして利用が多い。多くの品種があるが、日本では白地に鮮緑の葉脈が入るキャンデダム(和名シラサギ)がよく栽培され、このほかに、葉が5~7センチメートルと小形の卵状形で葉脈間に大小の白斑(はくはん)が鮮明に入り、小鉢植えとされるヒメハニシキがある。カラジウムの球根は2~3月に入手し、湿ったミズゴケに植え、25℃くらいの温度で芽を出させてから鉢に植え付け、半日陰でやや湿り気を多くすると、美しい葉が展開する。秋、葉が枯れたら球根を掘り上げ、湿った砂に埋め、10℃以下にならない所で春まで貯蔵する。
[鶴島久男 2022年1月21日]