翻訳|Kansas City
アメリカ合衆国、ミズーリ州西部、ミズーリ川南岸にある都市。人口、面積で同州最大。人口44万1545(2000)。州境を挟んでカンザス州第二の都市のカンザス・シティ(人口14万6866、2000)と周辺部を含むグレーター・カンザス・シティを形成しているが、行政的には二つの州に分属する。地理的条件に恵まれ、鉄道および河川交通の要衝にあり、早くから商工業の中心都市として発達した。古くから同市の経済を支えてきた農業は衰退してはきたものの、小麦、干し草など多種の農産物やウマ、ラバなどの大規模市場として重要な地位を占める。工業では食品加工、製粉、自動車、航空機関連、石油関連工業や薬品、金属、印刷・出版業などが盛んであり、いくつかの大企業も本社を置いている。1950年代末ごろからは卸売業、小売業、サービス業が同市の経済の支柱をなしてきており、連邦政府、市関係の施設に仕事をもつ居住人口も多い。
白人の定住は1821年アメリカ毛皮会社による毛皮交易所設立に始まり、33年には同市の前身であるウェスト・ポートの町が開かれた。西部開拓者のための物資供給基地として発達し、65年の鉄道の開通を皮切りに鉄道交通の中枢地となり、その後、合衆国最大の家畜交易地の一つとして、また小麦の集散地として発展した。自動車工業を中軸とした工業の発達は1900年から14年にかけて著しく、さらに第二次世界大戦を契機に第二次の工業発達がみられた。
同市は19~20世紀初頭の建築物の保存に力を入れており、市立公園としては合衆国有数の規模を誇るスウォープ公園(683平方キロメートル)など、設備の整った美しい公園が多く、落ち着いた雰囲気をもつ一方、近年都市再開発によって近代的なビルが林立し、活気を呈している。なかでも、世界的に知られるカード会社ホールマークの建てたクラウン・センターは、ロックフェラー・センター以来の合衆国最大の都市再開発プロジェクトとして有名で、同市のシンボル的存在。そのほか、ネルソン美術館、アトキンズ美術館など文化施設も多く、カンザス・シティ大学の所在地でもある。
[作野和世]
アメリカ合衆国,ミズーリ州西端部の商工業都市。人口44万4965(2005),大都市域人口162万(1992)。ミズーリ川とカンザス川の合流点にあり,1821年の白人入植後,河港都市また西部への玄関口(市に隣接するインディペンデンスはオレゴン,サンタ・フェ両街道の起点)として発展した。ハイウェー,鉄道,航空路,内陸水運の重要な結節点で,小麦と肉類などの農牧産品集散地として知られ,巨大な穀物サイロと家畜市場がある。農産加工,石油精製,機械工業も盛んである。カンザス川を隔てた西の対岸にあるカンザス州カンザス・シティもこの大都市域のなかに含まれる。
執筆者:正井 泰夫
アメリカ合衆国,カンザス州東端の商工業都市。人口14万4210(2005)。ミズーリ川をはさんで,ミズーリ州側に同名のより大きな都市があり,両者で大カンザス市を形成している。かつてはワイアンドットと名づけられた町で,カンザス州が自由州として連邦に加入する際の州憲法はここで制定された。1861年,大陸横断鉄道の東端とされた。農産物・畜産物の積出しが盛んであるが,石油,自動車産業なども重要である。
執筆者:岡田 泰男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…20世紀初め,アメリカ南部の港町ニューオーリンズの黒人ブラスバンドから生まれた音楽。1920年代を通じて,シカゴ,カンザス・シティ,またニューヨークなどの北部諸都市に伝播し,30年代後半にはスウィング・ミュージックと呼ばれて世界に広まった。第2次世界大戦まではダンス音楽であったが,戦後は鑑賞音楽として独自の発展をとげた。…
※「カンザスシティ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新