カーシャーン(その他表記)Kāshān

デジタル大辞泉 「カーシャーン」の意味・読み・例文・類語

カーシャーン(Kāshān)

イラン中部、イスファハーン州の都市サファビー朝離宮があった地として知られ、アッバース1世の廟やゆかりフィーン庭園がある。また、絨毯じゅうたん磁器絹織物産地であり、裕福な絨毯商人が築いた大邸宅などが残っている。カシャーン。

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改訂新版 世界大百科事典 「カーシャーン」の意味・わかりやすい解説

カーシャーン
Kāshān

イラン中北部,テヘランの南約190km,カビール砂漠の西端に位置する伝統的手工業の都市。人口24万4877(2003)。市の南東にあるケルクシュ山からの水で同市周辺は豊かな緑をなす。市には紀元前遺跡も発見されているが,アッバース朝時代に城壁も建設され,都市としての発展を示す。セルジューク朝以降は陶器をはじめ美術学芸の都として名高く,サファビー朝下ではじゅうたん,絹織物の生産で有名となり,17世紀には〈ヨークノリッジに勝るとも劣らない〉と称された。今日でも多くのじゅうたんを産し,織物業が盛んである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーシャーン」の意味・わかりやすい解説

カーシャーン
Kāshān

イラン北部,マルカジー州南東部の都市。イラン中央山脈東麓の砂漠中のかつて重要だった隊商路上にあり,イラン縦断鉄道の南東支線に沿う。古い都市で,南西 3kmにはこの高原で発見された最も古い定住生活の遺物を出土する有史以前のテペシャルクの遺跡がある。かつてはペルシア陶器製造の中心地で,装飾陶器とタイルは広く中東一帯に送出され,そのラスターウェア (光沢陶器) は特に知られた。イランで最高の品質の羊毛と絹のカーシャーン絨毯がつくられるが,近代工業の発達はあまり進んでいない。人口 15万 5188 (1991) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーシャーン」の意味・わかりやすい解説

カーシャーン
かーしゃーん
Kāshān

イラン中部、テヘラン州南東部の都市。大塩湖の南端に位置する砂漠の町である。人口20万1372(1996)、30万4487(2016センサス)。夏は非常に暑く乾燥し、住民は熱暑を避けて地下室で過ごす。用水はカナート(地下水路)と河川水の貯水槽で賄われている。近郊のテペ・シアルクはイラン高原における先史時代最古の遺跡の一つ。じゅうたん、別珍、絹織物、銅細工で知られ、モザイク・タイルの発祥の地とされる。市内にはセルジューク朝期の建築物も多い。

[香川優子]

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