デジタル大辞泉
「キングストン」の意味・読み・例文・類語
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キングストン
- ( Kingston )
- [ 一 ] 西インド諸島、ジャマイカの首都。貿易港、国際空港があり、保養地としても有名。一六九二年建設され、かつてイギリス海賊船の拠点であった。のちサトウキビ栽培の中心地として発展。数回の震災をうけた。
- [ 二 ] アメリカ合衆国、ニューヨーク州の都市。ハドソン川西岸に位置し、避暑地として知られる。
- [ 三 ] カナダ南東部、オンタリオ湖北東岸の港湾都市。
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キングストン(ジャマイカ)
きんぐすとん
Kingston
西インド諸島、ジャマイカの首都。ジャマイカ島の南東部、プルモ岬に囲まれた入り江の北岸に位置する。西インド諸島最大の港湾都市。人口57万7300(2001推計)。1655年イギリスのジャマイカ占領後、植民地経営の基地としてプルモ岬の先端にポート・ロイヤルが建設されたが、1692年の地震によって破壊され、その後に現在の市街が建設された。18世紀には奴隷貿易の中継地として繁栄、1872年首都となった。当時人口2万9000を数えるにすぎなかったが、20世紀に入り急速に増加した。1907年にも地震の被害を受けたが、都市計画の行き届いた近代的都市に再建された。鉄道の起点となっており、後背地の農業地帯で産出されるサトウキビ、コーヒー、ココナッツ、バナナのほか、ボーキサイト、アルミナなどが港から積み出される。同国の主要な工業地帯でもあり、食品加工業、たばこ、繊維工業などが発達。また近年成長の著しい観光業の基点でもある。東郊には1949年創設の西インド大学がある。
[栗原尚子]
キングストン(カナダ)
きんぐすとん
Kingston
カナダ中南部、オンタリオ州南東部の都市。人口11万4195(2001)。オンタリオ湖の北東岸に位置する。1673年、セント・ローレンス川上流への進出を企てたフランスが砦(とりで)を構築したのが起源であるが、これは1758年にイギリス軍によって破壊された。ウェランド・シップ運河通航の乗換地で、リドー運河の出口としても重要、水上交通の要地でもあった。現在は穀物、木材の輸送、金属・機械製造・繊維工業なども行われている。
[山下脩二]
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キングストン
Kingston
カナダ,オンタリオ州東部の都市。オンタリオ湖北東岸,セントローレンス川への出口に位置する。1月の平均気温-8℃,7月の平均気温 21℃,年平均降水量 800mmで気候温和。もとカタラキと呼ばれるインディアンの集落であったが,1673年ニューフランスの総督フロントナクが創設。 1758年イギリス人に破壊されるまで毛皮取引と防衛の重要な拠点であった。 83年ロイヤリスト (王党派) が居住し,キングストンと名づけた。その後オンタリオ湖内の重要な海軍基地となった。 1841~44年までは,アッパーカナダとローアーカナダの連合州の州都。港湾施設に内港・外港,穀物エレベータ,造船所,サルベージ施設,乾ドックなどがある。アルミナ,ディーゼル機関車,エンジン,鉱業機器,合成ゴム,繊維,蓄電池,皮製品,陶磁器が主要工業。軍関係の高等教育機関も多い。石灰岩の建物が多く,クイーンズ大学 (1841) ,セントジョージ聖堂,セントマリー聖堂はその代表。人口 12万3363(2011)。
キングストン
Kingston
西インド諸島西部,ジャマイカの首都。ジャマイカ島南東岸,カリブ海に面する港湾都市で,背後は山地に守られ,港は細長いパリサドエス半島に囲まれ,天然の良港として知られる。 1692年建設され,商業中心地として発展,1872年イギリス領ジャマイカの首都となり,1962年の独立とともにジャマイカの首都となった。第2次世界大戦後工業が発展し,食品加工,縫製,製靴,石油精製などの工業がある。市街はしばしば大火や地震で大破したが,17世紀の聖トマス聖堂,ロックフォート要塞,18世紀の政庁舎など古い建築物も保存されている。また教育・文化中心地として,イギリス連邦に属する西インド諸島各国からの学生を集める西インド諸島大学が近郊のモナにあり,図書館,博物館,美術館などをもつジャマイカ研究所などがある。保養・観光施設も完備し,訪れる人が多い。鉄道の起点で,近郊に国際空港がある。人口 9万6052(2001)。
キングストン
Kingston
アメリカ合衆国,ニューヨーク州南部にある都市。ニューヨーク市の北 145kmに位置する。ハドソン川沿岸の最初の白人植民地の一つで毛皮交易所があった。 1658年オランダ人により建設され,69年イギリス人により引継がれキングストンと命名。 1777年最初の州議会が開かれ,最初の州都となった。 1828年デラウェア=ハドソン運河の開通後,急速に発展。運河はペンシルバニアからニューヨークの市場への,石炭などの多くの原材料の輸送に利用された。小型造船,石材採取,セメント製品などが初期の産業であった。現在はコンピュータの製造が行われ,リンゴ,鶏肉,きのこの生産で有名。一年を通じての保養地でもある。古いオランダ教会,議会場などがある。人口2万 3095 (1990) 。
キングストン
Kingston
アメリカ合衆国,ペンシルバニア州東部にある町。サスケハナ川の北部支流の河畔,ウィルクスバレの対岸に位置する。 1769年コネティカット州やニューイングランドからの開拓者が入植。 1950年までは無煙炭の採掘場であったが,現在ではウィルクスバレの住宅地区となり,鉄道の修理工場,食品加工,絹織物の工場が建設されて発展。人口1万 4507 (1990) 。
キングストン
Kingston, William Henry Giles
[生]1814
[没]1880
イギリスの児童文学者。ポルトガルで育ち,出世作『捕鯨少年ピーター』 Peter the Whaler (1851) 以後 30年間に 130編をこえる少年冒険小説を書いた。
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キングストン
Kingston
ジャマイカの首都。人口10万,首都圏人口58万(2001)。天然の良港を擁する。1692年に建設され,1872年に同島の首都となった。1907年の大地震では大きな被害があった。旧イギリス領植民地では最大の都市であり,近代的な医療施設を持つ総合大学西インド大学があって,西インド諸島の文化の中心地でもある。パイセードズ半島の突端に位置し,キングストンの対岸にあたるポート・ローヤルは,ジャマイカでは最古のイギリス人居留地。
執筆者:神代 修
キングストン
William Henry Giles Kingston
生没年:1814-80
イギリスの小説家。処女作《サーカシアの族長》(1844)や,青年時代を過ごしたことのあるポルトガルの旅行記などを書いたが,《鯨取りピーター》(1857)以後130編以上の少年小説を発表して名声を上げた。フランスのジュール・ベルヌの作品の翻訳もある。本職の船員に劣らぬ知識と実技の持主で,それを生かした《三人の士官候補生》(1873)などもある。
執筆者:小池 滋
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「キングストン」の意味・わかりやすい解説
キングストン
ジャマイカの首都。ジャマイカ島南東岸にあり,カリブ海屈指の貿易港。商業の中心で観光地でもある。西インド大学の本部,ボブ・マーレー博物館がある。港の対岸のポート・ロイヤルはネルソン提督が1年間勤務した海軍基地。1692年創設,1907年の地震で破壊された後,近代的な都市として再建。58万5000人(2011)。
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