キープ(英語表記)keep

翻訳|keep

デジタル大辞泉 「キープ」の意味・読み・例文・類語

キープ(keep)

[名](スル)
確保すること。また、保持すること。「よい席をキープする」
バーなどの飲食店で、酒を瓶ごと買って店に預けておくこと。「ボトルキープする」
ラグビーで、スクラムの中にボールを保持したまま前進すること。
サッカーバスケットボールなどで、ボールを相手に渡さず保持すること。
テニスで、サービスゲームを取ること。

キープ(〈ラオ〉kip)

ラオスの通貨単位。1キープは100アット。キップ

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精選版 日本国語大辞典 「キープ」の意味・読み・例文・類語

キープ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] keep )
  2. ある状態を確保すること。維持すること。また、手もとに置いたままにすること。
    1. [初出の実例]「書類が役人の手を通るときには、どこでも廿四時間はキープできることになっている」(出典:世界の裏街道を行く(1955)〈大宅壮一〉中近東諸国)
  3. 酒場で、酒をボトルで買い置きしておくこと。ボトルキープ
  4. ラグビーで、ボールをスクラムの中に保持したまま前進すること。また、サッカー、バスケットボールなどでボールを敵に渡さず保持すること。
  5. テニスで、サービスゲームを取ること。

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旺文社世界史事典 三訂版 「キープ」の解説

キープ
quipu

文字ではなく縄の結び目による記録方法。結縄ともいう
インカ帝国のキープは特に有名で,宗教的記録や人口統計,穀物貯蔵量や鉱山の採掘量など,国家の重要な記録に用いられた。内容や分野ごとに彩色された長さの異なる羊毛製の細紐に結び目をつくり,統計として残したが,その作成・解読はキープ−カマヨと呼ばれるエリート層によって行われた。これと似た慣習はアジアやオーストラリアにもあり,現代に至るまで使用された例としては,1903年に廃止された沖縄藁算(ワラザン)がある。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「キープ」の解説

キープ
quipu

中央アンデスの古代住民が考案した表記用の縄。結節の数と位置によって数字を表すと同時に,色分けして対象の種類を示した。本来家畜の数の記録に使われたらしいが,インカ時代には人口統計にも有効に利用された。キープは,文字使用を禁止された江戸時代の沖縄で考案された「藁算(わらざん)」に似ている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キープ」の意味・わかりやすい解説

キープ

結縄文字」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のキープの言及

【結縄】より

…文字をもたない未開社会にはしばしばこのような習慣があり,中国,日本,南北アメリカ,オーストラリアなどにそのなごりをとどめている。とくに古代ペルー(インカ帝国)のキープquipuと沖縄の藁算(わらざん)は有名である。インカにおけるキープは文字に代わる唯一の記録法で,これを使ってインカは自国の人口調査や統計,穀物倉庫の貯蔵量,軍隊の人数,採金の量などあらゆるものを記録し,統計をとって保存していた。…

【結び】より

…沖縄の藁算以上に高度と思われるものに古代ペルー(インカ)の結縄がある。これはキープquipuと呼ばれ,紐上の結びの位置による桁の表示,さらに紐の色分けによって物品の内容を表現した。このキープをつかって人口調査や統計,穀物倉庫の貯蔵量,軍隊の数,採金の量などあらゆるものを記録し,統計をとって保存していたが,それを読む〈キープ・カマヨ〉と呼ばれる専門家もいた。…

【城】より

…やや進んだ形式を備えるようになったのはノルマン人騎士たちの居城で,〈モット・アンド・ベーリーmotte and bailey〉システムと呼ばれる。モットは小丘のことで,円形の空堀を掘り,その土で中央に小山を築き,その頂上に丸太杭を密接させて打ち込んで円塔形の天守(キープkeep,ドンジョンdonjon)をつくり,それを城主の居館とした。こうした内郭の一端に隣接して,より広い敷地を囲んで外郭の堀を掘り,周辺に柵を打ち込んで,一族郎党の居住家屋を設けた。…

【天守】より

…城郭の中枢部に建てられた多層の(やぐら)建築。ヨーロッパの中世の城のキープ,ドンジョンなどと呼ばれる塔とくらべられるが,日本の天守は,城が防戦と指揮という軍事機能に加えて,城主の権威の象徴という政治機能を発揮するようになってから形式が確立したので,政治的な性格が強い。政治の拠点としての近世城郭には不可欠の要素となったが,実際は天守のない城や,計画されたが天守台だけ築いて天守は建てられない場合もあった。…

※「キープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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