改訂新版 世界大百科事典 「クエルチア」の意味・わかりやすい解説
クエルチア
Jacopo della Quercia
生没年:1374ころ-1438
イタリアの彫刻家。シエナ生れ。1401-02年,フィレンツェ洗礼堂第二門扉(現,北門扉)の制作者を決めるコンクールにギベルティ,ブルネレスキらと参加。《イラリア・デル・カレットの墓碑》(大理石,1407,ルッカ大聖堂)や《フォンテ・ガイア》の噴水(1414-19,パラッツォ・プブリコ,シエナ)などの作品では,部分的に古代のモティーフを用いているものの,まだ感覚においてゴシック風が顕著である。しかしボローニャのサン・ペトローニオ教会正面扉口大理石浮彫(1425-38)になると,いたずらな細部を省いた簡潔直截な構成とモニュメンタルな表現力を見せ,すでにルネサンスの彫刻家としての位置を確立している。
執筆者:生田 圓
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報