クエルチア
Jacopo della Quercia
生没年:1374ころ-1438
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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クエルチア
くえるちあ
Jacopo della Quercia
(1374/75―1438)
イタリアの彫刻家。シエナ近くのクエルチア・グロッサに生まれる。彼の名前が美術史上に初めて現れるのは、1401年のフィレンツェ洗礼堂北側門扉(もんぴ)の有名なコンテストに参加したときであるが、応募作品は残されていない。確実にクエルチアの手になる最初の作品は、ルッカ大聖堂にあるイラリア・デル・カレットの墓碑(1406ころ)である。彼の彫法に北ヨーロッパのゴシック彫刻の影響を指摘する研究者が少なくないが、たとえばシエナの『ガイアの噴水盤』(1414~19)の浮彫りにはその形跡がある程度うかがわれる。17~30年にシエナのサン・ジョバンニ洗礼堂に制作した洗礼盤の浮彫り『神殿のザカリア』には、同じ洗礼盤のドナテッロによる『ヘロデの饗宴(きょうえん)』(1427)にみる絵画的空間表現からの影響が認められる。25年以降には、ほかの仕事も手がけながらボローニャのサン・ペトロニオ聖堂正面の装飾に没頭し、聖母子や旧約物語の傑作を残し、同地で世を去った。
[濱谷勝也]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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クェルチア
Quercia, Jacopo della
[生]1374頃.シエナ
[没]1438.10.20. ボローニャ
イタリアの彫刻家。金工,画家かつ彫刻家である父ピエトロ・ダンジェロに学んだ。 1401年にフィレンツェのサン・ジョバンニ洗礼堂の扉浮彫のコンクールに参加したが作品は残っていない。サン・フレディアーノ聖堂の大理石祭壇浮彫 (1413~21) ,ルッカ大聖堂の『イラリア・デル・カレット墓碑』 (07) ,シエナのピアッツァ・デル・カンポの記念噴水『フォンテ・ガイア』 (09~19) ,ボローニャのサン・ペトロニオ聖堂の正面の創世記の浮彫および同聖堂の聖母子像 (25~38) などの作品で知られる。彼のスタイルは,伝統的な簡潔な構図に,量塊的で荒々しい人体表現をもっている。肩幅の広い現世的な感覚の人体はミケランジェロに大きな影響を与えた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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クエルチア
イタリアの彫刻家。シエナ近郊のクエルチア生れ。後期ゴシックから初期ルネサンスへの過渡期を代表する彫刻家で,浮彫を得意としたが,晩年の動感豊かな様式は後のミケランジェロの登場を予告している。代表作に《創世記》を主題とするボローニャのサン・ペトローニオ教会正面扉口の一連の浮彫(1425年―1438年)などがある。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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