クリスチーヌドピザン(英語表記)Christine de Pisan

デジタル大辞泉 「クリスチーヌドピザン」の意味・読み・例文・類語

クリスチーヌ‐ド‐ピザン(Christine de Pisan)

[1364ころ~1430ころ]イタリア生まれのフランスの女流詩人・著作家。優雅なバラードを多く作る一方、「薔薇ばら物語」を批判して女性擁護の論陣を張った。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「クリスチーヌドピザン」の意味・読み・例文・類語

クリスチーヌ‐ド‐ピザン

  1. ( Christine de Pisan ) フランスの女流詩人。一四世紀の宮廷に育ち、宮廷に題材をとった優雅な詩をつくる。(一三六三頃‐一四三一

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリスチーヌドピザン」の意味・わかりやすい解説

クリスチーヌ・ド・ピザン
Christine de Pisan

[生]1364. ベネチア
[没]1430頃.パリ
フランスの女流詩人。父親はベネチアの有名な占星術師,医者で,のちにフランス国王シャルル5世に仕えた。 15歳のとき結婚,25歳で夫に死別後,文筆で身を立てた。宮廷風恋愛をテーマにした抒情詩にすぐれ,また『愛の神への書簡詩』 Épître au dieu d'amours (1399) を書いて,女性擁護の立場から『薔薇物語』をめぐる「女性論争」に身を投じ,さらにボッカチオの影響を受けた女性教育のための書『婦人の都』 Cité des Dames (1405) ,『三つの徳の書』 Livre des trois vertus (06) を著わした。ほかに『ジャンヌ・ダルク賛歌』 Ditié sur Jeanne d'Arc (29) など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリスチーヌドピザン」の意味・わかりやすい解説

クリスチーヌ・ド・ピザン
くりすちーぬどぴざん
Christine de Pisan
(1365?―1430?)

フランス中世末期のもっとも多彩な女流詩人兼著作家。ベネチアに生まれ、フランス王シャルル5世に招聘(しょうへい)されたイタリアの占星学者、医師トンマーゾ・ダ・ピッツァーノの娘としてパリで育つ。25歳で寡婦となり、3人の子供を抱え、生活のために著述する。寓意(ぐうい)的手法により伝統的テーマを扱いながら新鮮な感性を示す多くの叙情詩のほか、愛・宗教道徳・歴史・政治などに関するより野心的な著作『婦女の国』(1405)、『三徳の書』(1405)、『賢王シャルル5世善行の書』(1404)などがある。とくに女性の地位をめぐり、彼女の詩人ジャン・ド・マン攻撃によって始まった「ばら物語論争」は多くの人文主義者を巻き込む論争に発展した。

[神澤榮三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android