クロルピクリン(その他表記)chloropicrin

翻訳|chloropicrin

デジタル大辞泉 「クロルピクリン」の意味・読み・例文・類語

クロルピクリン(chlorpicrin)

漂白粉懸濁液ピクリン酸を加え、蒸留して得られる無色油状液体殺虫殺菌殺鼠さっそ剤、窒息・催涙性の毒ガスなどに用いる。クロロピクリン塩化ピクリン化学式CCl3NO2

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改訂新版 世界大百科事典 「クロルピクリン」の意味・わかりやすい解説

クロルピクリン
chloropicrin

殺虫,殺線虫,殺菌作用を示す農薬で,化学式CCl3(NO2)。沸点112℃の無色の催涙性液体で,主として土壌薫蒸剤として用いられる。土壌薫蒸においては地温15℃くらいが適温で最も効果が高い。土壌に30cmくらいおきに深さ5cmくらいの穴をあけ,そこに2~3ml薬剤を注ぎ込み,土壌表面をプラスチック・フィルムで覆って4~5日間放置後,フィルムを除き,よく耕すと効果が大きい。殺菌剤としては各種作物の立枯病,黒根病,つる割れ病,青枯病,紋羽病,疫病に有効である。倉庫内の収穫物の薫蒸剤として用いられたこともあったが,現在では本薬剤のこの目的の使用は登録からはずされている。また第1次世界大戦では毒ガスとして使用された。急性の吸入致死濃度は空気1l中2mgである。
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百科事典マイペディア 「クロルピクリン」の意味・わかりやすい解説

クロルピクリン

化学式はCCl3NO2。クロロピクリンとも。無色の液体。融点−64℃,沸点112℃。水に微溶,有機溶媒に易溶。皮膚粘膜を刺激し,強い催涙作用があり,呼吸困難をきたす。クロルピクリン薫蒸剤は土壌殺菌剤として使用。毒ガスに使用されたこともある。ピクリン酸などに塩素を作用させてつくる。倉庫内の収穫物の薫蒸剤としての使用は登録からはずされている。
→関連項目薫蒸剤土壌消毒

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世界大百科事典(旧版)内のクロルピクリンの言及

【化学兵器】より

…また青酸(シアン化水素)も使用されたが,青酸は血液ヘモグロビンの酸素結合能を奪う血液毒の致死性剤である。 非致死刺激剤としてクロルピクリン,クロロアセトフェノン(CN),クロロベンジリデンマロノニトリル(CS),ジベンゾンクサセピン(CR)がある。CNは各国警察が暴動規制に,CSはアメリカ軍がベトナム戦争で使用した。…

※「クロルピクリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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