翻訳|chloropicrin
殺虫,殺線虫,殺菌作用を示す農薬で,化学式CCl3(NO2)。沸点112℃の無色の催涙性液体で,主として土壌薫蒸剤として用いられる。土壌薫蒸においては地温15℃くらいが適温で最も効果が高い。土壌に30cmくらいおきに深さ5cmくらいの穴をあけ,そこに2~3mlの薬剤を注ぎ込み,土壌表面をプラスチック・フィルムで覆って4~5日間放置後,フィルムを除き,よく耕すと効果が大きい。殺菌剤としては各種作物の立枯病,黒根病,つる割れ病,青枯病,紋羽病,疫病に有効である。倉庫内の収穫物の薫蒸剤として用いられたこともあったが,現在では本薬剤のこの目的の使用は登録からはずされている。また第1次世界大戦では毒ガスとして使用された。急性の吸入致死濃度は空気1l中2mgである。
執筆者:高橋 信孝
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…また青酸(シアン化水素)も使用されたが,青酸は血液ヘモグロビンの酸素結合能を奪う血液毒の致死性剤である。 非致死刺激剤としてクロルピクリン,クロロアセトフェノン(CN),クロロベンジリデンマロノニトリル(CS),ジベンゾンクサセピン(CR)がある。CNは各国警察が暴動規制に,CSはアメリカ軍がベトナム戦争で使用した。…
※「クロルピクリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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