グレコフ(英語表記)Boris Dmitrievich Grekov

精選版 日本国語大辞典 「グレコフ」の意味・読み・例文・類語

グレコフ

  1. ( Boris Dmitrijevič Grjekov ボリス=ドミトリエビチ━ ) ロシア歴史家ソ連邦科学アカデミー歴史研究所所長、同最高会議議員などを歴任。ロシア封建制成立に関する研究で大きな業績を残した。主著「キエフ‐ロシア」「最古代から一七世紀までのロシア農民」。(一八八二‐一九五三

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「グレコフ」の意味・わかりやすい解説

グレコフ
Boris Dmitrievich Grekov
生没年:1882-1953

ソ連邦の歴史家。主著に《キエフ国家の封建関係》(1936),その増補修正版《キエフ・ロシア》(1939),《最古代から17世紀までのロシア農民》(1946)などがある。生前はソ連邦史学界で指導的地位を占め,戦後の日本のロシア史学への影響も大きかった。没後にはスターリン批判とも関連して,キエフ時代のホロープ(奴隷)を低く評価した点などで,ソ連邦内部でも批判を受けた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレコフ」の意味・わかりやすい解説

グレコフ
ぐれこふ
Борис Дмитриевич Греков/Boris Dmitrievich Grekov
(1882―1953)

ソ連の歴史家。ワルシャワ大学モスクワ大学に学び、ノブゴロドの社会、経済史に関する研究で学界に登場。ロシア革命後はマルクス主義史学の立場にたち、古代ロシアと東スラブ人の歴史に関する研究を多数発表した。彼は、東スラブ人が原始共同体社会から奴隷制を経ることなく封建制に移行したこと、9~12世紀の古代ロシアはすでに農耕を基本的生産活動とする段階に達していたこと、古代ロシア国家はノルマン人によって建国されたのではなく東スラブ人社会の内在的発展の結果成立したことなどを説き、封建制ロシアに関するソビエト史学の基本的立場を決定した。

[栗生沢猛夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレコフ」の意味・わかりやすい解説

グレコフ
Grekov, Boris Dmitrievich

[生]1882.4.21. ミルゴロド
[没]1953.9.9. モスクワ
ソ連の歴史家。科学アカデミー会員。歴史研究所所長をつとめ,ロシアの国家形成期すなわちキエフ・ルーシ (→ルス ) 時代に関する著作,農民史に関する著作などを著わし,ソビエトの歴史学界に大きな影響力をふるった。ソ連邦最高会議代議員でもあった。 1943,47,52年の3度,スターリン賞を受賞。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android