ケーパー(その他表記)caper
Capparis spinosa L.

関連語 星川 清親

改訂新版 世界大百科事典 「ケーパー」の意味・わかりやすい解説

ケーパー
caper
Capparis spinosa L.

フウチョウソウ科灌木で,高さ約1m。互生する葉は円形ないし卵形で長さ5cm,青緑色で白粉を被る。葉の付け根に1対のとげがある。花は下垂した枝の葉腋(ようえき)につく太い花梗に春から8月にかけて咲く。直径4~5cmの白色大輪の花弁に,多数の紫色のおしべが束になって美しい。1日花である。この花が咲く前のつぼみのときに摘んだものも,ケーパーあるいはカープルcâpreともいう。カプリン酸を含み,淡い香辛味があり,フランスでは特に好まれている。塩と酢でピクルスにし,肉や魚料理に添えて味を引き立たせる。つぼみのピクルスを芯にして,アンチョビーで渦巻に巻いた油漬が有名である。南ヨーロッパ原産で,日本では栽培がない。ピクルスの瓶詰や,アンチョビー巻の缶詰が輸入されている。栽培は比較的困難で,繁殖は実生,挿木,取木,接木による。イギリスなどでは,挿木したものを保温したハウス内で育てるという。
フウチョウボク
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百科事典マイペディア 「ケーパー」の意味・わかりやすい解説

ケーパー

南欧主産地とするフウチョウソウ科の低木カッパリス・スピノーサのこと。またその花の蕾(つぼみ)をいう。漬けてピクルスにするが,香気が高いので刻んで風味付けとし,オリーブ詰物アンチョビーの油漬などに入れる。

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世界大百科事典(旧版)内のケーパーの言及

【フウチョウボク】より

…アメリカとアフリカに多く,乾燥地域を好む。つぼみを酢漬(ピクルス)にするケーパーは食用として有名である。少数種が観賞用に栽植され,からしのような辛味成分を有し,民間薬的に利用される種もある。…

※「ケーパー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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