( 1 )「げ」は、形容詞の語幹、名詞などに付く接尾語に由来し、中世(室町時代)以後、終止形に付く助動詞化した用法が現われるようになったものである。はじめは①の様態の推量を表わす意味でのみ用いられたが、近世のはじめ頃には、次第に②の伝聞の意に転じるようになった。文章語として定着しないまま、江戸後期に発達した「そうな」に取って代わられ、衰退していった。
( 2 )活用は、室町時代頃からの形容動詞の活用にほぼ一致すると認められる。「げな」を終止の用法に用いる例が圧倒的に多く、終助詞に近い性格を持っている。連用形「げに」は「げにござる(ござります)」などの形でのみ用いられる。