コウライウグイス(読み)こうらいうぐいす(英語表記)oriole

翻訳|oriole

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウライウグイス」の意味・わかりやすい解説

コウライウグイス
Oriolus chinensis; black-naped oriole

スズメ目コウライウグイス科。全長 23~27cm。黄色の体に黒色の太いアイマスクをつけたような派手な色彩の鳥。亜種により色彩範囲がやや異なるが,雄は頭部が黄色で,左右に太く黒い過眼線が入り,後頭部でつながっている。背と喉から胸,腹は黄色で,南に分布する鳥ほど色が淡くなる。風切羽は黒色。尾羽は中央が黒く,その先端が黄色。雌は羽色緑色を帯びる。ミャンマー西部,マレー半島南部,東南アジアフィリピンタイワン(台湾)などでは留鳥で,ベトナム北部から東アジアで繁殖する鳥は,非繁殖期にインドからインドシナ半島に渡る。朗らかな美しい声でさえずる(→さえずり)。ほぼ樹上で暮らし,疎林や農耕地のほか,公園などにもすむ。日本にはごくまれに少数が渡来する。なお,ウグイスとは分類上の類縁はない。ウグイスの漢名としてしばしば用いられる「黄鳥」は,本来本種の名称である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウライウグイス」の意味・わかりやすい解説

コウライウグイス
こうらいうぐいす / 高麗鶯
oriole
old world oriole

広義には鳥綱スズメ目コウライウグイス科に属する鳥の総称。狭義にはそのうちの1種をさす。この科Orioridaeの仲間は、旧世界の熱帯を中心に生息し、約28種がある。全長約18~30センチメートル。樹上性で昆虫果実主食とし、ほとんどの種は常緑樹林に生息する。羽色は黄色を主として黒色部を有するものが多く、オウチョウ(黄鳥)という異名がある。単独またはつがいで生活し、樹上に椀(わん)形か皿形の巣をつくって繁殖する。繁殖生活の詳細はよくわかっていない。温帯にまで進出しているものが2種あり、その1種コウライウグイスOriolus chinensis迷鳥またはまれな旅鳥として日本でも記録されている。

浦本昌紀

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