ドイツの劇作家。1780年代にロシアで公職につき、その功績で爵位を得た。ウィーンで座付作者として劇作したのちロシアに戻ったが、ある戯曲でロシア帝室を侮辱したとの理由により逮捕されシベリアに流刑された。やがて名誉を回復したのちペテルブルグやベルリンで演劇と著述に活躍。1817年ロシア皇帝の私設報告者となってドイツを旅し、翌年に自ら創刊した雑誌でドイツの大学生たちのリベラルな思想を批判したため、学生K・L・ザントに殺害された。200編以上の、舞台効果に優れた、しかし内容の浅い戯曲を書き、大いに人気を得たが、今日では作品よりも政治的な死のために名が歴史に残っているというべきであろう。
[宮下啓三]
1761~1819
18世紀末~19世紀初頭のドイツの通俗劇作家。ロシアの公務につき,ロシア政府へのドイツ情勢の報告者でもあった。著作や雑誌記事でドイツ青年の政治的傾向を揶揄(やゆ),1819年3月,マンハイムで過激派の学生に暗殺された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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