日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンパレーター」の意味・わかりやすい解説
コンパレーター
こんぱれーたー
comparator
正確な尺度と比較して物体の長さを精密測定するための器械。比較測長機ともいう。天文学では1990年代以降はCCD(固体撮像素子)が多用されるが、歴史的には写真原板上の像位置やスペクトル写真の波長測定などに用いられてきた。載物台、標準尺、顕微鏡からなり、被測定物が動くものと顕微鏡が動くものがある。顕微鏡は視野内に十字線を有し、それに被測定物の像をあわせて測定する。投影式のものもよく使われる。標準尺にはガラスに精密目盛りを刻んだものや、精密ねじの回転角によって測るものが多いが、モアレ縞(じま)やリニア・エンコーダー(直線状の磁気スケールなどを用いて長さを数値的に測るもの)、レーザー干渉計によって読取り精度は向上した。工学では光学利用のオプチメーター(光学的エンコーダーを用いた測長器)、空気マイクロメーター、電気マイクロメーター、ダイヤルゲージなどが使われる。
[山下泰正]
『大園成夫編著『精密測定機器の選び方・使い方』新版(1997・日本規格協会)』