マイクロメーター(読み)まいくろめーたー(英語表記)micrometer

翻訳|micrometer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイクロメーター」の意味・わかりやすい解説

マイクロメーター
まいくろめーたー
micrometer

精密に加工されたねじの送り量を基準に、その量がねじの回転角に比例することを利用した、寸法測定器である。現在普及しているマイクロメーターは、数十種類に及んでおり、これらを用途別に分類すると、外側寸法測定用、内側寸法測定用、深さ測定用、ねじ径や歯車の歯厚測定などの個別機械要素測定用に分けられる。また特殊な用途としては、鋼板合成樹脂ゴム、紙などの厚さ測定用、円筒工作物の肉厚測定用、スプラインの溝径測定用などがあげられる。これらに加えて、弾性変形しやすい工作物測定のために測定圧を小さくしたものなど、多種多様なマイクロメーターが製品化されている。

 精度的には、ノギスより1桁(けた)高精度な測定が可能で、一般的には、0.001ミリメートル(1マイクロメートル)の読み取りが可能である。外径測定用では、測定範囲は限られるが、最大1000ミリメートルまで測定可能なものもある。ノギスと同様、読み取りを容易にするため、ダイヤルゲージ付きのものや、デジタル表示が可能なものも存在している。また、測定データの出力端子を備え、マイクロコンピュータと接続し、測定データを統計的に処理することにより、高度な計測システムや工程管理システムを構成できるようになっているものもある。

 マイクロメーターといえば、以上のような絶対寸法を直接測定するものをさすが、標準ゲージとの比較測定方式により寸法測定を行うマイクロメーターとして、空気マイクロメーター電気マイクロメーターなどが存在している。

[清水伸二]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例