空気流を拡大機構として用いた長さの比較測定器である。使用する定圧空気の圧力によって低圧式(5~20kPa),中圧式(100kPa程度),高圧式(200kPa以上)に分ける。流出口を物体へ近づけ,物体との間にわずかの隙間を作っておき,物体をわずかに変位させると隙間が変化して圧縮空気の流出状態が変わることを利用する。指示器の最大と最小に相当する2個のマスターゲージを用意し,拡大率を調整して目盛間隔の値を定める。次いで測定すべき品物を入れかえて読み取る。図は背圧型空気マイクロメーターの原理図で,隙間hの変化によって,指示室内の圧力pxが変わるので,pxをブルドン管やベローズなどの圧力計で測って品物の寸法を知る。圧力の代りに空気の流量変化をテーパー管とうきとを用いて測る流量型が,一般に広く用いられている。また,真空ポンプで空気を吸い込む真空式もある。空気マイクロメーターは空気圧による接触なので測定力が小さいこと,10万倍くらいの高倍率が得られること,1~2mmくらいの小内径の測定もできること,電気的量に変換する装置を付属させて自動測定に用いることができるなどの利点がある。
執筆者:沢辺 雅二
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空気を噴出するノズル先端と測定面との隙間(すきま)が変化すると、空気の流量や圧力が変化するが、そのことを利用して、寸法や変位を測定する測定器。一般的には、圧縮空気源、空気濾過(ろか)器、定圧装置、指示装置などから構成されている。寸法測定の場合は、まず、測定対象と寸法がほぼ同じである、寸法の正確にわかっている標準ゲージを測定し、その後、測定対象物を測定し、両者の差分から、測定対象の寸法を求めるという、比較測定が行われる。特徴としては、
(1)運動部分が少ないため、摩擦や摩耗による測定器の精度劣化がない
(2)非接触測定であるので、測定力が小さく、非測定面を傷つけることがない
(3)測定倍率が1000倍から1万倍と大きい
などがあげられる。おもな用途としては、寸法や穴径の測定と検査をはじめとして、製造組立ラインでの自動計測、自動選別などがあげられ、大量生産を行う製造現場で幅広く使われている。
[清水伸二]
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