日本大百科全書(ニッポニカ) 「空気マイクロメーター」の意味・わかりやすい解説
空気マイクロメーター
くうきまいくろめーたー
air micrometer
空気を噴出するノズル先端と測定面との隙間(すきま)が変化すると、空気の流量や圧力が変化するが、そのことを利用して、寸法や変位を測定する測定器。一般的には、圧縮空気源、空気濾過(ろか)器、定圧装置、指示装置などから構成されている。寸法測定の場合は、まず、測定対象と寸法がほぼ同じである、寸法の正確にわかっている標準ゲージを測定し、その後、測定対象物を測定し、両者の差分から、測定対象の寸法を求めるという、比較測定が行われる。特徴としては、
(1)運動部分が少ないため、摩擦や摩耗による測定器の精度劣化がない
(2)非接触測定であるので、測定力が小さく、非測定面を傷つけることがない
(3)測定倍率が1000倍から1万倍と大きい
などがあげられる。おもな用途としては、寸法や穴径の測定と検査をはじめとして、製造組立ラインでの自動計測、自動選別などがあげられ、大量生産を行う製造現場で幅広く使われている。
[清水伸二]