電子マイクロメーターelectric micrometerともいう。電気マイクロメーターは,接触式測定子をもつ検出器を用いて微小変位を電気的量に変換して測定する比較測長器である。電気的インピーダンスである電気抵抗,電気容量,電磁誘導などの回路要素を変位によって変化するように接続し,その回路に生ずる電流,電圧の変化を利用する。変換器として差動変圧器がもっとも広く用いられており,そのほかに,平板コンデンサー,円筒形コンデンサー,インダクタンス素子,光学格子と光電素子,磁気格子などが用いられている。変位量をメーター上に指針で表示するアナログ形と数値で表示するディジタル形とがある。ディジタル形の中にはアナログ-ディジタル変換器をもって増幅した電気的量をディジタル表示するものと,変位を格子によるエンコーダーでディジタル測定するものとがある。アナログ形電気マイクロメーターの目量は最高倍率において0.2μmないし1μmで,2~4種の倍率切換えで選択して用いる。ディジタル形電気マイクロメーターの最小表示値は0.1μmまたは1μmが多い。目量や最小表示値が0.01μmという高倍率のものも用いられている。電気マイクロメーターは感度が高いこと,感度切換えが容易であること,検出器が比較的小さいこと,構造が比較的簡単であること,遠隔指示や自動測定に容易に利用できること,データ処理に容易に利用できることなどの利点がある。
執筆者:沢辺 雅二
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