コーク石(読み)コークせき(その他表記)corkite

最新 地学事典 「コーク石」の解説

コークせき
コーク石

corkite

化学組成鉱物。明ばん石上族,ビューダン石族の鉱物。三方晶系,空間群, 格子定数a0.722nm, c1.6214, 単位格子中3分子含む。菱面体ないし擬立方体結晶,微細な結晶の土状集合。暗緑黄緑~淡黄色,半透明,ガラス樹脂~土状光沢劈開{0001}に完全。硬度3.5~4.5, 比重4.30。薄片では黄色,一軸性負だが,等方性に近く屈折率ω1.93~1.96。PbはCa, Sr, Ceなどと,Fe3はAlと置換されることがある。鉛鉱床の酸化帯に白鉛鉱緑鉛鉱褐鉄鉱などとふつうに産する。名称は原産地アイルランドのCork郡に由来。

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参照項目:明礬石上族

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーク石」の意味・わかりやすい解説

コーク石
こーくせき
corkite

鉛(Pb)と三価の鉄(Fe3+)の含水硫酸塩リン酸塩鉱物。この種の複陰イオン鉱物は原子配列は明礬(みょうばん)石構造であるが、リン酸塩・ヒ酸塩・バナジン酸塩鉱物に分類され、ビューダン石系鉱物に入れられる。本鉱はその[PO4](リン酸)置換体にあたる。各種鉛・亜鉛銅鉱床の酸化帯に産する。鉛や鉄や硫酸基は硫化物に由来するとして解釈できるが、リン酸基の初生鉱物はかならずしも明らかでない。ただし緑鉛鉱と密接共存する場合はこれより晩期の生成なので、緑鉛鉱のようなリン酸塩がリン酸の根源となっている可能性はある。日本では秋田県鹿角(かづの)市尾去沢(おさりざわ)鉱山閉山)で、他の鉛の二次鉱物と共存して産した。

 共存鉱物は緑鉛鉱、鉛鉄明礬石plumbojarosite(化学式PbFe3+6[(OH)3|SO4]4)、硫酸鉛鉱、針鉄鉱、石英など。ビューダン石系鉱物の構成員とは肉眼的に区別しがたい。ただ、緑鉛鉱に伴われて比重の大きそうな褐色粉末状物質があれば、本鉱の可能性はある。しかし本鉱と同系のキントア石kintoreiteは[SO4](硫酸基)に乏しく、PbFe3+3[(OH,H2O)3|PO4]2の式が与えられ、1995年にオーストラリア、ブロークン・ヒルBroken Hill鉱山から新鉱物として記載されるまでは、他のビューダン石系鉱物と誤認されていた。命名は最初に確認された産地グランドアGlandore鉄鉱山を含むアイルランドのコークCork地方にちなむ。

[加藤 昭 2016年9月16日]


コーク石(データノート)
こーくせきでーたのーと

コーク石
 英名    corkite
 化学式   PbFe3+3[(OH)6|SO4|PO4]
 少量成分  Cu,As
 結晶系   三方
 硬度    3.5~4.5
 比重    4.31
 色     褐~淡黄褐,淡黄,黄緑~暗緑
 光沢    ガラス~樹脂
 条痕    褐,黄
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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