ビューダン石(読み)ビューダンせき(その他表記)beudantite

最新 地学事典 「ビューダン石」の解説

ビューダンせき
ビューダン石

beudantite

化学組成PbFe3+(As0.5S0.5O42OH6,明ばん石上族,ピューダン石族の鉱物三方晶系,空間群,格子定数a0.732nm, c1.702,単位格子中3分子含む。菱面形~擬立方体結晶,土状集合。ふつうは黄~黄褐色,その他暗緑,橙,赤,黒色など,透明~半透明,ガラス~樹脂光沢条痕は帯緑ないし灰黄色。劈開{0001}に完全。硬度3.5~4.5,比重4.48。薄片では無~黄色,屈折率ω1.957, ε1.943,一軸性負。二軸性の性質を示すものがある。Pbの位置はCa, Ba, Ce, Srなどと,Fe3の位置はAlと,Asの位置はPなどと置換する。方鉛鉱や硫砒鉄鉱などを含む鉱床の酸化帯から各種二次鉱物に伴いふつうに産する。名称は,フランス人鉱物学者F.S.Beudant(1787~1850)に由来。

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参照項目:明礬石上族

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビューダン石」の意味・わかりやすい解説

ビューダン石
びゅーだんせき
beudantite

鉛および鉄の含水硫酸塩ヒ酸塩鉱物。系統分類上は硫酸塩あるいはヒ酸塩(実際上はリン酸塩、ヒ酸塩、バナジン酸塩)のどちらにでも帰属可能であるが、現在では後者の一員として取り扱われている。自形は六角板状、擬立方体、擬正八面体など。通常は微細結晶として産し、粉末状あるいは皮膜状をなす。

 日本では宮崎県西臼杵(にしうすき)郡高千穂(たかちほ)町土呂久(とろく)鉱山(閉山)の酸化帯から産出が知られている。主成分の鉛は方鉛鉱あるいは鉛の二次鉱物を供給源とし、鉄およびヒ素は硫砒(りゅうひ)鉄鉱あるいはスコロド石などこれらを含む二次鉱物に由来する。世界的には熱水鉱脈鉱床や斑(はん)岩銅鉱鉱床からのものが多い。また古代ギリシアのラウリウムLauriumでは、金属精錬場跡の鉱滓(こうさい)の風化物から標本に値する美晶が発見されている。

 共存鉱物はスコロド石、ミメット鉱、藍銅(らんどう)鉱、毒鉄鉱、ダフト鉱duftite(化学式CuPb[OH|AsO4])、硫酸鉛鉱、オリーブ銅鉱、白鉛鉱など。同定は黄色、褐色、赤褐色、まれに暗緑色から黒色粉末状の外観による。条痕(じょうこん)では本来の色から赤味が抜け、黄色~緑色の色調をもった色が出る。粉末では比重はわかりにくいが、4.5はかなり大きいほうである。命名はフランスの鉱物学者フランソワ・S・ビューダンFrançois S. Beudant(1787―1850)にちなむ。

[加藤 昭 2018年7月20日]


ビューダン石(データノート)
びゅーだんせきでーたのーと

ビューダン石
 英名    beudantite
 化学式   PbFe3+3[(OH)6|SO4|AsO4]
 少量成分  Cu, Zn, Al
 結晶系   三方
 硬度    3.5~4.5
 比重    4.49
 色     灰黄、灰赤褐、黄、緑、暗緑、褐、黒
 光沢    ガラス~樹脂
 条痕    灰黄~灰緑
 劈開    一方向に良好から完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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