ゴーガルテン(読み)ごーがるてん(その他表記)Friedrich Gogarten

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴーガルテン」の意味・わかりやすい解説

ゴーガルテン
ごーがるてん
Friedrich Gogarten
(1887―1967)

ドイツルター神学者。1月13日ドルトムントに生まれる。1931年ブレスラウ大学教授、1935年以後ゲッティンゲン大学教授。青年時代に自由主義神学を批判して、弁証法神学の新運動危機神学」に参加し、指導者の一人として活躍したが、のち方法論の相違のため運動から離れた。ナチスドイツ・キリスト者運動に初め同調したが、すぐにその欺瞞(ぎまん)に気づき、以後は教壇からナチスを批判し続けた。人格神信仰に基づいて、ルター派伝統の「律法と福音(ふくいん)」の方法によって、現代世界のなかで福音を具体的に語ることを強調した。戦後ハイデッガーに関心をもち、世俗と真の福音信仰との両立関係を求めた。10月16日ゲッティンゲンにて没。

[森田雄三郎 2018年1月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴーガルテン」の意味・わかりやすい解説

ゴーガルテン
Gogarten, Friedrich

[生]1887.1.13. ドルトムント
[没]1967.10.16. ゲッティンゲン
ドイツのプロテスタント神学者。弁証法神学代表者の一人。ブレスラウ,ゲッティンゲン各大学の組織神学教授を歴任。実存主義的傾向が強く神学的人間学を主張。ルターの教理を発展させ世俗化の神学を唱える。主著『われは三一の神を信ず』 Ich glaube an den dreieinigen Gott (1926) ,『神と世界との間の人間』 Der Mensch zwischen Gott und Welt (52) ,『非神話化と教会』 Entmythologisierung und Kirche (53) ,『近代の宿命と希望-神学の問題としての世俗化』 Verhängnis und Hoffnung der Neuzeit. Die Säkularisierung als theologisches Problem (53) ,『信仰の現実性』 Die Wirklichkeit des Glaubens (57) ,『イエス・キリスト,世界の転換』 Jesus Christus,Wende der Welt (66) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「ゴーガルテン」の意味・わかりやすい解説

ゴーガルテン
Friedrich Gogarten
生没年:1887-1967

ドイツのプロテスタント神学者。牧師を経て,ブレスラウ,後にゲッティンゲン大学の組織神学教授。弁証法神学者として出発したが,のち離れ,一時〈ドイツ・キリスト者〉の運動に加わった。哲学と折衝しつつ神学を形成する点に特徴があり,その師トレルチやドイツ観念論を批判し,グリーゼバハE.Grisebachやハイデッガーの影響を受け,実存主義的神学を展開した。また信仰義認論から世俗化の肯定を引き出した。
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百科事典マイペディア 「ゴーガルテン」の意味・わかりやすい解説

ゴーガルテン

ドイツのプロテスタント神学者。バルトとともに弁証法的神学の立場をとったが,のち離反して親ナチスの〈ドイツ・キリスト者〉運動に加わった。ハイデッガーの影響を受け,実在主義的神学を提唱,著作は《非神話化論と教会》(1953年)ほか。

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世界大百科事典(旧版)内のゴーガルテンの言及

【弁証法神学】より

…その後A.vonハルナックとも争って,漠然とイエスの宗教に帰ることではなくて聖書の啓示概念から出発すべきことを説いた。F.ゴーガルテンはこれに共鳴して《我は三一の神を信ず》(1926)を著し,E.ブルンナーは《神秘主義と言葉》(1924)を著した。さらにE.トゥルナイゼンやメルツG.Merz(1892‐1959)も加わって,1922年に雑誌《時の間》を刊行した。…

※「ゴーガルテン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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