ドイツの新約神学者ルドルフ・ブルトマンが、『新約聖書』の神話的世界像を人間学的、実存論的に解釈しようとした試み。ブルトマンが1941年に発表した『新約聖書と神話論』という論文で初めて提起した問題だが、戦後ドイツのみならず全世界の神学者たちの間で討論された。ブルトマンによれば、『新約聖書』の世界は神話的世界像であって、世界は天界、大地、下界の三階層からなっている。天界には神と天使、大地には人間、下界にはサタンと悪鬼が住んでいる。『新約聖書』が述べ伝えている救済のできごとは、このような神話的世界像によって叙述されているが、この世界像を信ずることとキリストを信仰することは別のことである。神話的世界像は前科学的世界像であるゆえに現代人には受け入れがたい。むしろそれを非神話化して、人間学的ないし実存論的に再解釈することによって、聖書本来の語りかけに信従すべきである、というのがブルトマンの主張であった。しかし非神話化は結局は合理化、いや不徹底な合理化でしかないとヤスパースも加わる大論争となった。
[古屋安雄]
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…ブルトマンはこの解釈法を発展させ,《ヨハネ福音書註解》(1941),《新約聖書神学》(1948‐53)で新約聖書全体の解釈に適用した。解釈の方法論をまとめたものがいわゆる〈非神話化〉で,これによると,新約聖書の世界観は神話論的であり,そのまま現代に通用するものではない。神話論的表現は削除せず解釈しなくてはならない。…
※「非神話化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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