イタリア北部のフィレンツェ(Firenze、〈英〉Florence)にあるサンタマリアデルフィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)に付属する洗礼堂。ドゥオーモ(大聖堂)の正面に建つ八角形のロマネスク様式の建築物で、12世紀から13世紀初めまでの長い期間をかけて完成し、大聖堂の礼拝堂に入る前に、洗礼式を施す施設として使われてきた。内部の天井には「最後の審判」のほか、聖書にまつわるモザイク画がある。この建物で最も有名なのは、ミケランジェロが「天国への門」と呼んで激賞したロレンツォ・ギベルティの手による東側の扉(第2の青銅扉)。建物に取り付けられている扉はレプリカで、本物はドゥオーモの付属博物館に所蔵されている。