サンジョバンニ洗礼堂(読み)サンジョバンニセンレイドウ

デジタル大辞泉 「サンジョバンニ洗礼堂」の意味・読み・例文・類語

サンジョバンニ‐せんれいどう〔‐センレイダウ〕【サンジョバンニ洗礼堂】

Battistero di San Giovanni
イタリア中部、トスカーナ州の都市ピサにあるピサ大聖堂に付属する円筒形洗礼堂。12世紀半ばから14世紀にかけて建造。下部はロマネスク様式の列柱とアーチで構成され、上部はゴシック様式の尖塔をもつ。内部にはニコラ=ピサーノが彫刻を手がけた説教壇がある。1987年、「ピサのドゥオモ広場」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。
イタリア中部、トスカーナ州の都市フィレンツェサンタマリア‐デル‐フィオーレ大聖堂正面に向かい合うように位置する洗礼堂。11世紀から12世紀にかけて建造されたロマネスク様式の八角形の建物で、北側と東側の門扉にはロレンツォ=ギベルティが手がけた青銅製のレリーフがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンジョバンニ洗礼堂」の意味・わかりやすい解説

サン・ジョバンニ洗礼堂[フィレンツェ]
サン・ジョバンニせんれいどう[フィレンツェ]
San Giovanni Battista, Firenze

イタリア,フィレンツェの洗礼堂。サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂前に位置し,これに付属する形をとるが,フィレンツェで最も古い宗教建築で,その歴史はローマ時代に建てられたマルス神殿にまでさかのぼる。現在の建物は4世紀頃に建造されていた小聖堂が,1060~1150年頃に再建されたもので,八角形プランの聖堂。外面は白と黒の大理石で化粧張りされ,典型的なトスカナ地方ロマネスクの様式をもつ。半円アーチ窓のクリアストーリーをもつ二層構造の内部も大理石張りである。ドーム内面は,審判キリストの像を中心に,天体図,旧・新約聖書のエピソード,キリストと聖母の生涯図,洗礼者ヨハネの生涯図などが階層的配列に表わされた 13世紀のビザンチン風モザイクで飾られている。聖堂の3つの扉口には浮彫板をはめ合せた高名な青銅扉がある。南口扉は A.ピサーノの『洗礼者ヨハネ伝』浮彫など。北口扉はドナテロ,F.ブルネレスキらも参加した有名な公募によって選ばれた L.ギベルティの『新約聖書伝』浮彫。天国の門と呼ばれる東口扉は同じくギベルティの『旧約聖書伝』浮彫。これはミケランジェロをして「天国の門にふさわしい」と感激させたと伝えられるルネサンス彫刻の代表作である。

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世界の観光地名がわかる事典 「サンジョバンニ洗礼堂」の解説

サンジョバンニせんれいどう【サンジョバンニ洗礼堂】

イタリア北部のフィレンツェ(Firenze、〈英〉Florence)にあるサンタマリアデルフィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)に付属する洗礼堂。ドゥオーモ(大聖堂)の正面に建つ八角形のロマネスク様式の建築物で、12世紀から13世紀初めまでの長い期間をかけて完成し、大聖堂の礼拝堂に入る前に、洗礼式を施す施設として使われてきた。内部の天井には「最後の審判」のほか、聖書にまつわるモザイク画がある。この建物で最も有名なのは、ミケランジェロが「天国への門」と呼んで激賞したロレンツォ・ギベルティの手による東側の扉(第2の青銅扉)。建物に取り付けられている扉はレプリカで、本物はドゥオーモの付属博物館に所蔵されている。

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