南西太平洋,ソロモン諸島に属する火山性の島群。サン・クリストバル島の東方450kmに位置し,ヌデヌデ(エンデニ),ウトゥプア,バニコロ,ティナクラの4主島と周囲のリーフ,タウマコ(ダフ)島群などからなる。総面積約1000km2,人口約4000。1595年,スペイン人メンダーニャによりヌデヌデ島が発見され,サンタ・クルーズと命名された。その後,欧米諸国との接触はほとんどなく,近年にいたっている。1923-64年,バニコロ島を中心に,カヌー用材となるカウリマツの開発が行われたが,その後はコプラが重要な産物。主要島には,非アウストロネシア語系(パプア諸語)のメラネシア人が住むが,リーフ,タウマコ島群にはポリネシア人の居住する島がある。ミツスイの羽毛からつくられた赤い羽毛製貨幣が通貨として用いられる。カニのはさみ形の帆をもつ遠洋航海用アウトリガー・カヌーによる交易民として知られたが,現在,遠洋交易は消滅した。
執筆者:秋道 智弥
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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