しおくぐ(読み)シオクグ

デジタル大辞泉 「しおくぐ」の意味・読み・例文・類語

しお‐くぐ〔しほ‐〕

カヤツリグサ科多年草海辺湿地に生え、地下茎から長さ約20センチの細い葉を出す。夏、茎を伸ばし、先に穂状雄花を、その下に雌花をつける。葉を編んで細い縄を作る。

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精選版 日本国語大辞典 「しおくぐ」の意味・読み・例文・類語

しお‐くぐしほ‥

  1. 〘 名詞 〙 カヤツリグサ科の多年草。北海道・本州四国・九州の河口の湿地に生える。高さ三〇~六〇センチメートル。茎・葉には三稜がある。葉は根生し線形で長さ約二〇センチメートル。夏、葉間から花茎をのばし、梢上に三~五個の茶褐色の花をつける。上部の一~二個は線形で雄花をつけ、下部のものは雌性で、長さ二センチメートルの長楕円形をしている花穂をつける。秋、葉を刈り取ってくぐ縄という細い縄をつくる。はまくぐ。〔日本植物名彙(1884)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「しおくぐ」の意味・わかりやすい解説

シオクグ
Carex scabrifolia

カヤツリグサ科の多年草。日本全域を含むアジア東部の温帯から亜熱帯にかけて広く分布し,海水の出入りする河口や海浜の湿地に生えるスゲの1種。地下に長い根茎をはわせて繁殖する。茎は高さ 30~50cmになり,基部が赤みを帯びる。初夏に茎の頂部に数個の小穂をつけ,上部の2~4個は雄性で長く,帯赤色,下部の1~2個は雌性で短く,鉄錆色をしている。旧盆のとき,葉でくぐ縄という細長い縄をつくり仏壇の飾りつけに用いるところがある。

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世界大百科事典(旧版)内のしおくぐの言及

【スゲ(菅)】より

… 海岸のスゲとしては,カンスゲを一段と大きくしたようなオニヒゲスゲC.wahuensis C.A.Meyer ssp.robusta (Fr.et Sav.) T.Koyamaがハワイから日本,台湾まで分布する。また砂浜のコウボウムギやコウボウシバ,塩性湿地に生えて,その長い葉でクグ縄という縄をなうシオクグC.scabrifolia Steud.がある。 高山にもスゲは多い。…

※「しおくぐ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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