シニョリーア制(読み)シニョリーアせい(英語表記)Signoria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シニョリーア制」の意味・わかりやすい解説

シニョリーア制
シニョリーアせい
Signoria

中世末期のイタリアで都市コムーネ全権シニョーレ (僭主) が掌握するにいたった体制をさす。コムーネは内部の党派抗争や他のコムーネとの戦争によって次第に疲弊し,この危機を打開するために,13世紀後半から 14世紀前半にかけて権力を一個人の手に集中する傾向が生じた。このようにして有力貴族がコムーネの行政権,裁判権など全権を握ってシニョーレとなり,シニョリーア制成立させた。ミラノのビスコンチ家,フェララのエステ家,ベロナのデッラ・スカラ家などがシニョーレの代表的な例で,シニョリーア制の成立はコムーネの事実上の解体を示しており,次の君主制 (プリンチパート) への段階に道を開くものとなった。

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