ショウジョウソウ(読み)しょうじょうそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショウジョウソウ」の意味・わかりやすい解説

ショウジョウソウ
しょうじょうそう / 猩々草
[学] Euphorbia cyathophora Murray

トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の半低木。日本では、春播(ま)き一年草として取り扱う。茎は直立し、高さ0.9~1メートル、上部で分枝する。葉は濃緑色で長卵形、浅い欠刻があり、バイオリン胴部形のものが多い。茎葉は、切ると乳汁が出る。花は小さく目だたないが、夏の開花期になると、小花を包む数枚の葉が赤く着色する。性状は半野生的で、生育も旺盛(おうせい)である。名は、赤色の彩りがある頂の葉から出、伝説の猩々(しょうじょう)(想像上の動物でサルの一種であるとする)にちなむ。観賞期間は7~9月で、十分日が当たり、排水のよい所でよく育つ。4~5月、花壇に直接播種(はしゅ)するか、または平床に播いたものを、のちに移植する。

[山口美智子 2020年6月23日]

 アメリカからアルゼンチンにかけての地域が原産で、園芸植物として世界各地で栽培され、熱帯亜熱帯では帰化している。日本でも沖縄や小笠原諸島に見られる。

[編集部 2020年6月23日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ショウジョウソウ」の意味・わかりやすい解説

ショウジョウソウ(猩々草)
ショウジョウソウ
Euphorbia heterophylla; Mexican fire-plant

トウダイグサ科の一年草。北アメリカ原産。観葉植物として栽培される。茎は直立し,高さ 1mに達する。葉は互生し,線形,卵形,長楕円形,ひょうたん形などの種々の形がある。上部の数個の葉には赤い斑点がある。葉,茎を傷つけると白い乳液が出る。7~8月頃,枝先に緑黄色の小さい花が集ってつく。花には雄花雌花の別がある。茎の頂部の葉が赤いことを,顔の赤い猩々にたとえてこの和名がつけられた。

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百科事典マイペディア 「ショウジョウソウ」の意味・わかりやすい解説

ショウジョウソウ

北米,熱帯アメリカ原産のトウダイグサ科の一年草。60cm余りの高さになり,葉は互生し,葉型にはいろいろ変化がある。夏,茎頂に集まってつく花の周辺の数枚の葉が朱赤色になる。切り口から白い乳のような液が出る。花壇・切花用に栽培される。

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