日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショットピーニング」の意味・わかりやすい解説
ショットピーニング
しょっとぴーにんぐ
shot peening
白銑(高炭素鉄)や鋼の小粒(ショット)を圧搾空気流または高速回転する羽根を用いて、ばねなどの機械部材に打ち付け(ピーニング)、機械部材の表面に圧縮残留応力を発生させて疲れ強さを向上させようとする金属表面処理法。類似のものにショットブラスト、およびストレスピーニングがある。前者は、ショットを吹き付け(ブラスト)て鉄鋼などの表面の酸化物(スケール)などを除いて表面を清浄にするのが目的であり、後者は、機械部材が使用中に受けるのと同じ状態の応力を与えながらショットピーニング処理を行う方法で、これにより疲れ強さは単純なショットピーニングより一段と高められる。ショットピーニングは1930年ごろにアメリカのジムマーリF. P. Zimmerliが提唱し、40年以降、ばねの表面処理法として急速に普及した。
[須藤 一]