日本大百科全書(ニッポニカ) 「シローニ」の意味・わかりやすい解説
シローニ
しろーに
Mario Sironi
(1885―1961)
イタリアの画家。サッサリに生まれ、ローマの美術アカデミアで学んだのち、G・バッラのアトリエに通い、1914年にミラノに移住して未来派の運動に参加する。その後、形而上(けいじじょう)派の影響を受け、1922年には「ノベチェント派」の創設者の一人となる。そのころ、灰色や暗褐色を主調とした寂寞(せきばく)たる都市郊外の風景に特有の画風を示した。やがて古代世界やフレスコの技法に関心をもち、建築と絵画の問題にひきつけられ、ファシズム体制に協力する結果となる。晩年は社会的に孤立しながら制作を続け、ミラノで没した。
[小川 煕]