じゃんけん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

じゃんけん

拳(けん)の一種。石拳(いしけん)ともいい、勝負を決めたり、鬼ごとの鬼決めの方法などにも用いられる。元禄(げんろく)時代(1688~1704)初期に、中国から長崎へ伝えられたものが広まったといわれる。片手で行うのが普通で、拳(こぶし)を握ったものを石(グー)、手のひらを開いたものを紙(パー)、人差し指と中指、または親指と人差し指とを開いたものを鋏(はさみ)(チョキ)とし、石は鋏に、紙は石に、鋏は紙に勝つ。東京付近では「じゃんけんぽん」と掛け声をして出し、もし同じものであるなら「あいこでしょ」といってやり直す。

 じゃんけんには「足じゃんけん」という、足の形でグー、チョキ、パーを表現して勝ち負けを決める遊びがある。足の形は、グーは両足をつけて閉じた形、チョキは片足だけで立つ、または足を前後に開く、パーは両足を左右に開く。「じゃんけんぽん」といいながら2回片足跳びして、3回めに足じゃんけんの勝ち負けの形をする。グー・パー・チョキという呼称から、グリコ・パイン・チョコレートと子供の好きなものでよぶときもあり、方法も名称もルールもつねに子供の世界で流動し続けている。

 なお、拳という、2人が相対して手や指の屈伸で掛け声をかけながら勝負を争う遊びが古くからあり、虫拳(蛙(かえる)・蛇・蛞蝓(なめくじ))、庄屋拳(しょうやけん)(庄屋・狐(きつね)・猟師)などがある。

[丸山久子]

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精選版 日本国語大辞典の解説

じゃん‐けん

〘名〙 拳(けん)の一種。片手で、石、はさみ、紙の形を互いに出し合って勝負をきめること。また、その遊び。いしけん。じゃんけんぽん。
※随筆・皇都午睡(1850)初「近頃東都にてはやりしはジャン拳也」
※家(1910‐11)〈島崎藤村〉下「ジャン拳で負けて氷を買ひに行ったお延は」
[語誌](1)「拳」は寛永年間に中国から長崎へ伝来し、長崎拳のちに本拳と呼ばれて、主に酒席での大人の遊戯として広まった。
(2)今日のじゃん拳の元となったのは、近世後期にはじまった三すくみ拳の一つ藤八拳とされており、これは狐拳・庄屋拳とも呼ばれた。
(3)名称の由来は、手の指で石・紙・鋏(はさみ)の形を表わす三すくみ拳の一つ「しゃくけん(石拳)」の転訛とする説や、親指と人指し指で表わす鋏の形が本拳の二(りゃん)と同形であるところから「りゃん拳」の転訛とする説などがあるが、定かではない。

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